黒字なのにビッグローブが売り払われるワケ スマホ撤退を決めたNECが老舗ポータル子会社も売却へ
NEC本体から分社化した際に発表した「NECビッグローブ」の売上高は約600億円(2005年3月期)。それが直近の2013年3月期は807億円に上昇している。決算公告によれば営業利益率も3-4%台で推移。高収益ではないものの安定的に数十億円の小ガネを稼げる事業ではあった。
とはいえ、事業として成功を収めてきたとも言い難い。
スマホ時代になり閉塞感があった
宿泊予約サイト、検索サービス、eコマース、動画配信サービスなど、いずれの事業も参入は遅くなかったが、競争に勝ち残ることはできなかった。
ISP事業も同様だ。調査会社MM総研によれば2000年におけるビッグローブ会員数は約300万人(シェアは17.7%)で、富士通系のニフティと圧倒的2強を形成していた。それが直近の13年は会員数302万人と横ばいのままで、800万人台のOCNや500万人台のYahoo!BBに突き放されている。
スマートフォン時代への対応も進めた。今春には「ほぼスマホ」というサービス名称で、NECカシオ製のスマホ「MEDIAS」を活用した格安のMVNO(他社回線を借りた通信事業)にも参入した。
端末とLTE通信費込みで月額基本料が2980円という安さが売りだが、大ブレイクすることはなかった。
スマホシフトが進む中では、パソコン向けを主軸としてきたビッグローブの閉塞感は強まる一方だった。
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