黒字なのにビッグローブが売り払われるワケ スマホ撤退を決めたNECが老舗ポータル子会社も売却へ

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おりしもNECは、社会インフラなどのBtoB(法人間取引)事業に経営資源を振り分ける新事業戦略を4月に発表したばかり。一般コンシュマーを相手にするBtoCは非コアと位置づけられた。

スマートフォン新規開発の凍結、携帯電話販売代理店のNECモバイリングの売却などが着々と進められている。かつてNTTファミリーの長男として、BtoCの通信関連事業も得意としてきたNECだが、ほぼ跡形もなく、姿を消すことになる。

業界再編につながる可能性も

大手電機メーカーによる傘下ISPの売却ということでは、2009年に富士通の野副州旦社長(当時)が子会社のニフティ売却交渉を進めたことがある。

この時はニフティ売却を起点にして、玉突きのようにISPの再編が起きても不思議ではなかった。しかし、この売却交渉は反対勢力の動きによりとん挫し、売却交渉の過程が問題視された野副氏が会社を追われることにもなった。

結局、ISPの再編が起こらないまま月日が経過したのだが、今回のビッグローブ売却を契機に、業界再編が動き出す可能性もありそうだ。
 

西澤 佑介 東洋経済 記者

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にしざわ ゆうすけ / Yusuke Nishizawa

1981年生まれ。2006年大阪大学大学院経済学研究科卒、東洋経済新報社入社。自動車、電機、商社、不動産などの業界担当記者、19年10月『会社四季報 業界地図』編集長、22年10月より『週刊東洋経済』副編集長

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