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水商売を漫画にした67歳原作者の剛勇な人生 「女帝」「嬢王」の倉科遼が持つ強烈な原体験

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  • 村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター
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初めて訪れたママの部屋は、ロココ調でとてもゴージャスだった。だが、トイレ、浴室は普通だった。

トイレを借りると、バスルームを見ることができた。そこには丸ハンガーに、レースのパンティが1枚干してあった。

「それを見た瞬間、電気が走るような衝撃を受けました」

脳裏には、夜遅くに仕事を終えてゴージャスな部屋に帰ってきたママが、手洗いでパンティを洗っている様子が浮かんだ。

派手できらびやかなのに、寂しい姿だった……。その時閃いた。

「銀座の女を描きたい」

「ただ現在進行中で不倫している時に銀座の漫画を描くわけにはいかないですからね。しばし寝かせることになりました」

アパレルの会社は、始めた時はとても順調だった。しかし会社を始めた1年後にバブルが崩壊した。経営は非常に厳しくなる。どちらの会社も結果的には手放した。

また投資用に買っていた7000万円のマンションもバブル崩壊の憂き目に遭った。運よく、大暴落するギリギリ手前になって買い値で売り抜けた。

そんな経験があって漫画にも“経済”を意識するようになった。

ある日、編集者にこの後どのような漫画を描きたいのかを問われ、

「女が描きたいですね」

と答えた。すると

「なにとち狂ったことを言っているんだ?」

と返された。

「編集者の言うことはもっともで、司敬は男を描く漫画家でしたし、実際女性の絵は描けないんですよ。だから漫画ではなく冗談で、小説で書こうかな? て言いました。

だったら漫画の原作を書いたら?

でもそんな時、育ての親の編集者に『だったら漫画の原作を書いたら?』と提案されました。確かに原作なら、私が女性を描く必要はありません。なんだったらSFでもなんでも書けるわけです」

初めて書いた原作は『悪女の鑑』というホステスを主人公にした読み切り作品だった。

この作品の評価は非常に高かった。『週刊漫画TIMES』(芳文社)にて『女帝』を始めた。初めは月刊誌で連載したのだが、好評だったので週刊誌でやることになったのだ。

大変なヒットになった『女帝』、ネオン街を描いた『嬢王』『夜王』なども次々にドラマ化された(筆者撮影)

そして『女帝』は大変なヒットになった。2000年には映画化され、2007年にはドラマ化された。2011年には韓国でもドラマ化された。

「女帝を始めた時には、銀座のママと別れて10年くらい経っていました。誰にも関係は言っていなかったですし、ママももう忘れているだろうと思い、原作を書きました。

その頃はまだ司敬の漫画も終わってはおらず、同時進行になりましたね」

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【原作者をずっと続けていくつもりではなかった】

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