孤立強めるロシア、高まる不測の事態の憂慮 欧米とロシアの不信の連鎖が続いている

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それ以上に、欧米諸国はロシアのたび重なるサイバー攻撃や選挙干渉、フェイクニュースによる情報操作の被害に遭い、不満が鬱積していただけに、今回、統一行動で圧力行使に出たと言える。

トランプ大統領に幻滅

プーチン大統領にとって衝撃だったのは、ドナルド・トランプ米大統領の変身だろう。両首脳は3月20日に電話会談を行い、トランプ大統領は、祝福しないよう求めた側近の勧告を無視してプーチン大統領の大統領選勝利を祝福、首脳会談開催でも合意していた。ロシア側は戦略兵器をめぐる軍備管理交渉開始の準備に入ったが、米政府は26日、英国に同調し、60人のロシア外交官追放とシアトルの総領事館閉鎖を通告した。

一部報道によれば、大統領周辺はトランプ大統領に3つの報復措置案を提示し、大統領が最も強硬な選択肢に傾いたという。ジェームズ・マティス国防長官が主導して決めたとの情報もある。ロシア側も29日、60人の米外交官追放とサンクトペテルブルクの米総領事館閉鎖を通告した。これにより、ビザ発給手続きも制限され、米露の人的交流が縮小されそうだ。

ロシアの政府系ニュースサイト『ブズグリャド』によれば、ロシア側は失望を通り越して怒りを強めており、プーチン大統領はトランプ大統領を「政権すらコントロールできない弱い指導者」とみなし、今後交渉を放棄する可能性があるという。トランプ政権誕生で米露関係が改善されるとのロシアの期待は幻想となった。

米英両国は追加の制裁措置を検討しているとされ、欧米とロシアの関係悪化は危険な段階に到達しつつある。

ロシアのメディアでは、他の欧州諸国が追放する外交官数が英米より少ないことから、「欧米の結束は中途半端」(『インタファクス通信』)と論評したり、追放しなかったオーストリアを賞賛する報道があった。しかし、前代未聞の集団行動で、ロシアが欧米の包囲網による孤立感を強めているのは間違いない。

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