解除権自体は、「独占禁止法の許可が一定の期日までに得られない場合には互いに違約金の発生しない合意解約とする、というのは普通にある」(M&A実務に詳しい早稲田大学大学院の服部暢達客員教授)。車谷CEOも「解除権の設定はコンティンジェンシト(予想外の事態)への対応の一環で、クロージングは誠実にやる」と強調する。
実際、「会社の経営陣は売却という姿勢で変わらないはず。経済産業省も今のスキームを維持したいと考えている」(経産省関係者)、「現時点でも、東芝の経営陣はディールを成し遂げることで一致している」(主要行幹部)など、方針転換は見受けられない。
ただ「(中国当局の意向は)われわれのパワーの及ぶ範囲ではない。認可が下りなければどうしようもない」(車谷会長)。仮に認可が下りても、厳しい条件を付けられて売却が白紙に戻る可能性もゼロではないのだ。
毎年数千億円の巨額投資が必要
債務超過解消にメドが付いた後も東芝がなぜメモリ売却をやめないのか、そのロジックを整理しよう。現状の売却スキームでは東芝は新生・東芝メモリに出資する。出資比率は普通株ベースで40.2%。東芝メモリは普通株への転換権のある優先株も発行するが、それらがすべて普通株になった場合の東芝の潜在的な出資比率は35.6%になる。
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