池上線「大崎広小路」がおしゃれになったワケ 高架下のイメージ一新、テーマは「自転車」

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ところで、池上線といえば昨年の「フリー乗車デー」をはじめとした活性化イベントが記憶に新しい。その関連を尋ねると「当然意識している。今回は『池上線』の名前を冠し、池上線の五反田地区におけるシンボルとなるような施設にした」(同)そうだ。さらに今後池上線では池上駅の再開発が予定されており、引き続き池上線沿線のまちづくりは東急電鉄としても継続的に続けていくという。

「池上線五反田高架下」の上を東急池上線の電車が走る(筆者撮影)

今回の「池上線五反田高架下」の大きな特徴はスタイル提案型の店舗を高架下で展開しているということだ。テーマとなった自転車と鉄道は大変相性がよく、いくつかの地方鉄道では自転車を折り畳み・分解なしでそのまま持ち込み可能な列車が運行されている。また、JR東日本でも今年1月から千葉地区にサイクリスト向けに改造された列車「B.B.BASE」が運行開始されるなど、鉄道サイドからの自転車に対する注目度は高い。交通機関の組み合わせによるライフスタイルの提案により、鉄道の価値向上にもつながるのではないだろうか。

また、今後は今回オープンした施設を利用した自転車利用マナーの啓発イベントや自転車と鉄道を組み合わせたイベントといったものも考えられるだろう。

今後も続く?東急の高架下再開発

歓楽街のイメージが強いが、最近ではスタートアップ企業のオフィスが増えてきた五反田(筆者撮影)

駅周辺開発や高架下開発といった沿線開発に強みを持つ東急電鉄。現在行われている開発のノウハウを最大限に生かすのが、現在行われている渋谷の大規模再開発だろう。今年開業する「渋谷ストリーム」にはgoogleの日本法人本社が入居することも発表されており(東洋経済オンライン2017年12月7日付記事「東急がグーグル渋谷凱旋を熱烈歓迎する理由」参照)、期待感が高まる。その中で今回のようなライフスタイル提案および体験提供型の商業施設が開業したことで、渋谷でも同様の施設開発に期待が持てる。

また、今後の高架下再開発については現在公表できるものはないとしながらも、東横線沿線を中心に考えているという。沿線のまちにマッチする新たな高架下施設がこの先も造られていくことになるようだ。進化を続ける東急電鉄の沿線開発。今後も期待ができそうだ。

鳴海 侑 まち探訪家

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なるみ ゆう / Yu Narumi

1990年、神奈川県生まれ。大学卒業後は交通事業者やコンサルタントの勤務等を経て現職。「特徴のないまちはない」をモットーに、全国各地の「まち」を巡る。これまで全国650以上の市町村を訪問済み。「まち」をキーワードに、ライティングをはじめとしたさまざまな活動を行っている。最新の活動についてはホームページ(https://www.naru.me/)やX(旧・Twitter、https://twitter.com/mistp0uffer)で配信中。

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