池上線「大崎広小路」がおしゃれになったワケ 高架下のイメージ一新、テーマは「自転車」

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高架の柱をあえて見せることで開放感を演出。黒の鉄骨でデザインした。柱の点検のため、多少すき間が空いている(筆者撮影)

今回のテーマは施設のデザインにも反映されている。デザイン監修を行ったのはSuppose design office Co.,Ltd。同設計事務所の谷尻誠氏は尾道市にあるしまなみ海道を走るサイクリストのための複合施設「ONOMICHI U2」の設計を手掛けたことで知られる。「ONOMICHI U2」はサイクリスト向けの宿泊施設、有名自転車メーカーのショップのほか、カフェやレストランなどもある画期的な施設として注目を集めたが、「池上線五反田高架下」では、そんな「ONOMICHI U2」の実績を生かして、2区画がサイクリストの基地として整備された。

屋内駐輪場やシャワーなどの施設は契約者のみが利用でき、24時間出入り可能だ(筆者撮影)

どちらも日本コンピュータ・ダイナミクスが経営する店舗「STYLE-B」が運営し、うち1区画には屋内駐輪場(約30台)、タオル利用が無料のシャワールームをはじめ、ロッカー・コインランドリーを備える。ここは契約者専用のエリアで、カードキーによりセキュリティを確保することで24時間利用可能とした。価格は月極で1万8500円(税抜き)と都心の日比谷などの地区にある施設に比べると若干安い。内覧会の際にはすでに数件契約が入っているとのことだった。

自転車の隣で野菜やドーナツも

大崎広小路駅側のエントランスとなる区画には「STYLE-B」が自転車や関連商品を販売するほか、ドーナッツ専門店「DOUGHNUT PLANT」と青果店「旬八青果店」が入る。なんと、自転車の横で野菜を売っているのだ。こうした店舗構成の狙いについて「STYLE-B」の担当者は「本来、自転車屋というと女性が入りにくい雰囲気だと思う。しかし、八百屋やカフェを併設することにより、主婦層をはじめとした女性のお客様でも入りやすい店づくりとした」と語る。

今回、「STYLE-B」は東急電鉄が誘致し、「DOUGHNUT PLANT」と「旬八青果店」は日本コンピュータ・ダイナミクスが誘致した。港区白金台にある「DOUGHNUT PLANT」の店舗でも「旬八青果店」が併設されており、その実績が今回の「池上線五反田高架下」への出店スタイルにつながった。

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