トヨタが2016年末に発売した「C-HR」は、2017年の乗用車(軽自動車を除く)ブランド通称名新車販売別ランキングで4位(約11万7300台)という高順位に食い込んだほか、2017年末にマツダが投入した「CX-8」の出足も好調に推移。ホンダも2013年から販売し、2014~2016年に国内SUV販売台数でトップだったヴェゼルを、この冬に一部改良(マイナーチェンジ)し、商品力向上に余念がない。
まさにクロスオーバーSUVブームに沸く中でのCR-V復活となるワケだ。5代目CR-Vには「アコード」や「オデッセイ」などと共通の2モーターと排気量2リッターのガソリンエンジンを組み合わせる「SPORT HYBRID i-MMD」を搭載するハイブリッドモデルのほかに、排気量1.5リッターのガソリンターボエンジンモデルも用意される。
日本仕様のボディサイズは変更されるかもしれないが、アメリカ仕様は全長4587×全幅1854×全高1676mmとやや幅広いボディサイズだ。まだまったく発表もされていないが、車両本体300万円~400万円前後の価格設定になるのではと記者は予想している。
「3列シート仕様には一定のニーズがある」
そんなCR-Vの日本復活に当たって、興味深いのは1.5リッターターボエンジンモデルには2列シートと3列シートという2種類が用意されることだ(ハイブリッドモデルは2列シートのみ)。実は歴代を振り返ってみてもCR-Vに3列シートタイプが設定されるのは初めて。おそらく最大乗車人数は7人になるのだろう。
「爆発的に売れるとは思っていませんが、3列シート仕様には一定のニーズがあると見ています」。5代目CR-Vの開発責任者である本田技術研究所の永留高明・四輪R&DセンターLPL 主任研究員は言う。
3列シートといえば、従来はミニバンの領域だったが近年はクロスオーバーSUVにも広がってきている。昨年末、マツダが発売した3列シートSUV「CX-8」は発売1カ月の受注台数が月間販売目標1200台の約10倍に達するなどヒット。トヨタもレクサス「RX」に3列シートロングバージョンの「RX450hL」を昨年末に追加したばかりだ。日産「エクストレイル」や三菱自動車「アウトランダー」などにも3列シート仕様がある。5代目CR-Vもこの流れに乗る。
5代目CR-Vも含めて、3列シートSUVへの乗り換え需要の主力になりそうなのはすでに3列シートのミニバンに乗っているようなユーザーだろう。それも常に多人数乗車するような使い方ではなく、実家に帰省したときに両親を乗せたり、グループで遠出する際に自分の車を出したりするなど、「いざというときに使いたい人」だ。3列シート車といってもカップルや家族4~5人程度で移動するときは、広い荷室を持ったクルマとして使えるからだ。