前走車の自動追従が開く「自動運転」の入り口 「ボタン一つで目的地へ」はまだ時間がかかる

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現在、自動運転はあらゆる道路条件でもドライバー不在で自動走行ができる技術を最終目標とする「SAE自動化レベル」(レベル0~5の6段階)が世界の共通言語だ。

レベル0:運転者が全ての運転タスクを実施
レベル1:システムが前後・左右のいずれかの車両制御に係る運転タスクのサブタスクを実施
レベル2:システムが前後・左右の両方の車両制御に係る運転タスクのサブタスクを実施
レベル3:システムが全ての運転タスクを実施(※限定領域内)、作動継続が困難な場合の運転者は、システムの介入要求等に対して、適切に応答することが期待される
レベル4:システムが全ての運転タスクを実施(※限定領域内)、作動継続が困難な場合、利用者が応答することは期待されない
レベル5:システムが全ての運転タスクを実施(※限定領域内ではない)、作動継続が困難な場合、利用者が応答することは期待されない
※ここでの「領域」は必ずしも地理的な領域に限らず、環境、交通状況、速度、時間的な条件なども含む
(出所)官民ITS構想・ロードマップ2017

レベル2の自動走行を可能とする市販車も増えてきたが…

最終段階であるレベル5の世界は未だ見ぬ世界とはいえ、過渡期であるレベル2はかなり現実味を帯び、レベル2の自動走行を可能とする市販車も増えてきた。

しかし、次のステップであるレベル3までの自動走行時には必ず人の介在が必要で、交通環境の変化で運転支援状態や自動走行状態が継続できない場合には、ドライバー、つまり人がこれまで同様、手動運転を行わなければならない。

自律化が進む車両制御技術だが、その行き着く先の理想のひとつに「自動運転」がある(写真:筆者撮影)

一定のアクセル操作を自動で行うCC(クルーズ・コントロール)、前走車に追従するようアクセルとブレーキで調整しながら走行を維持するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、 そのACCに通信機器を搭載し、きめ細かい追従制御を行うCACC (通信利用型アダプティブ・クルーズ・コントロール)と、時代の変遷とともに自律化が進む車両制御技術だが、その行き着く先の理想のひとつに「自動運転」がある。

正式名称を「自律自動運転」とするこうした世界では、車両に搭載されたセンサーが人間で言うところの“眼”の役割を果たし、そこから得られた自車周囲の情報を人間では“脳”にあたる車載コンピューターが認識 ・判断し、その結果、自動車の各操作がシステムによって自律的に行われる。

次ページ50年ほど前は…
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