メディアが「フェイスブック離れ」をする事情

なぜユーチューブへ乗り換えるのか?

「我々は何時間もYouTube上でスポーツ関連のコンテンツを見る。にもかかわらず、ほかのプラットフォームで通常作っているような、オリジナルコンテンツであったり、一人称視点でのコンテンツだったり、ドキュメンタリースタイルのコンテンツはない。それに気付いた」と、クライマン氏は語った。

デュラント選手のYouTubeチャンネルは、2017年4月にローンチされた。クライマン氏は、それをデレック・ジーター氏が創立したメディア、プレイヤーズ・トリビューンやレブロン・ジェームス氏によるアンインタラプテッドと並べて考えている。ローンチをしたあと、ファンから力強い反応が返ってきた。

そしていま、デュラント選手とクライマン氏はほかのアスリートもYouTubeに引き込もうとしている。1月にはサーティー・ファイブ・メディアはアスリートたちによるチャンネルを作る契約をYouTubeと交わしたと発表した。NFLのリチャード・シャーマン選手やNBAのカール・アンソニー・タウンズ選手といったスターが名を連ねている。

パブリッシャーにとって安全な避難先

Facebook Watchはパブリッシャーにとって十分な収入源となるには至っていない。また、Facebook自体もニュースフィードにおけるパブリッシャーのコンテンツの優先度を下げたばかりだ。動画ビジネスに参入したいと考えているパブリッシャーたちにとって、YouTubeは安全な避難先を提供している。

たとえば、YouTube上ではパブリッシャーたちはダイレクトに動画を売ることができると解説してくれたのは、バッスルのマーケティング・オペレーションズ部門のシニア・バイスプレジデントであるカイ・シング氏だ。バッスルは最近になってYouTubeに対する興味を再燃させている。デジタル・コンテンツ・ネクストのレポートによると、YouTubeはパブリッシャーにとって、Facebookの次に収益を得られるプラットフォームとなっている。

また、YouTubeを訪れるユーザーの目的はただひとつ、ビデオを観ることだ。その点は非常にハッキリしており、これもパブリッシャーたちは認識している。父親向けメディアであるファーザーリーが最近になってそのYouTubeチャンネルを復活させたのには理由がある。1月にファーザーリーはViceの元ビデオプロデューサーであったアダム・バニッキー氏をビデオ部門最初のバイスプレジデントとして雇った。そして2月には早速、YouTubeチャンネルに動画をアップロードしはじめた。これは2017年の6月以降はじめてのことだ。

「Facebookにおける総合(ビデオ)視聴者数が、ある種のピークを迎えてしまったことを我々全員が感じている。またYouTubeが持っているようなビデオを中心に据えた利用レベルには、Facebookはプラットフォームとしては至っていない」と、ファーザーリーのCEOであるマイク・ロスマン氏は語った。

YouTube上でシリーズ化された番組をプロデュースすることで、大手ネットワークやストリーミングサービスが、それをもとにした長期的な番組を開発したいと思ってくれるかもしれない。YouTubeはプログラムを試験的に作る方法をパブリッシャーに与えている。

コメディーセントラルの「ブロード・シティ」やHBOの「インセキュア」は、どちらもYouTube上のチャンネルとしてはじまった。YouTubeに新規参入しているパブリッシャーたちは、こういったチャンスに期待を持っているようだ。

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