メディアが「フェイスブック離れ」をする事情 なぜユーチューブへ乗り換えるのか?
ブリーチャー・レポートが運営する、スポーツとカルチャー関連の人気インスタグラムアカウント「ハウス・オブ・ハイライツ」が、その活動をインスタグラム以外にも拡大すると決めたとき、Facebookはもはや検討するオプションに入っていなかった。
その理由は、彼らのメインのオーディエンスが12歳から24歳であることだ。ハウス・オブ・ハイライツのゼネラルマネージャーであるダグ・バーンスタイン氏は、この層にとってFacebookは一番重要なプラットフォームとなっていないと語る。さらに、ハウス・オブ・ハイライツはただひたすら拡大すれば良いという戦略をとってはないという。「我々のコミュニティをより深くしていきたい」。
続々とYouTubeに参加しはじめるパブリッシャー
そこで彼らが注意を向けたのがYouTubeだ。YouTubeに参加しているパブリッシャーの数は増えている。パブリッシャーだけでなく有名なアスリートたちもYouTubeでコアなオーディエンスにリーチして収益を得るため、続々とYouTubeに参加しはじめた。
1年前、NBAのスターであるケビン・デュラント選手はファンたちとつながる方法を探索していた。彼はNBAのチームを移籍したばかりだった。彼のマネージャーであるリッチ・クライマン氏はサーティ・ファイブ・メディアの共同ファウンダーである。デュラント選手とクライマン氏は、ほかのプラットフォームではなく、YouTubeのトップの役員たちとミーティングをした。
そのなかにはCEOであるスーザン・ウォシッキー氏、最高ビジネス責任者であるロバート・キンクル氏、そして最高プロダクト責任者であるニール・モーハン氏が含まれている。YouTubeが抱えているオーディエンスが大きいことはクライマン氏もすでに知っていた。しかし、このミーティングを通してクライマン氏が学んだのは、YouTube上のスターたちがいまやさらに大きなスターとなっていること、しかしほかのアスリートのスターたちは、YouTubeをフルに活用していないことだった。