首脳会談は、北朝鮮にとっては「ご褒美」だ 北朝鮮の悲願だが米政権にとってはリスクに

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「これまで米朝首脳会談が行われたことは一度もない。北朝鮮がすでに核兵器を手に入れた後で会談を行うことは、基本的にはそれを前提に米国は北朝鮮と交渉に臨む用意があるというシグナルを送ることになる」と、カーネギー清華グローバル政策センターの北朝鮮専門家、趙通氏は言う。

「たとえ首脳会談で何ら進展がなくても、北朝鮮は1つ目の目的を果たしたことになる」

米政府高官は、トランプ氏はこれまでの大統領とは違うアプローチを取ることを期待されて当選したと話す。

それには、過去に失敗したような実務レベルでの交渉を避け、「過去の長年の足踏み状態を繰り返す代わりに、決断できる人物である」金氏と会うことも含まれていると、この高官は言う。

2000年に北朝鮮の趙明禄(チョ・ミョンロク)国防委員会第一副委員長がホワイトハウスを訪問し、当時のクリントン大統領と面会した、北朝鮮初で最高位の高官となった。

その直後に、オルブライト国務長官(当時)が平壌を訪問。クリントン氏の訪朝の地ならしのため、金正恩氏の父の故金正日(キム・ジョンイル)総書記と会談した。だが、クリントン氏の訪朝は、在任中に実現しなかった。

強硬姿勢が首脳会談の機運を作った

オバマ米政権時代にも、北朝鮮高官らは米国との突破口を探ったが、米国側が外交的な譲歩を何も示さなかったため失望していたと、クラッパー元米国家情報長官は話している。

トランプ氏の強硬姿勢が首脳会談の機運を作ったと評価する専門家の中にも、今回は異なる結果を生むか注視していると話す人がいる。

「北朝鮮は、過去にもこういう発言をしている。金正日氏は、クリントン大統領に会いたがっていた」と、米シンクタンク「民主主義防衛基金」のマーク・デュボビッツ会長は言う。

「北朝鮮は、非核化に真剣にならなければいけない。一方で、トランプ政権は、5月の首脳会談に向けて厳しい制裁措置を続け、圧力を最大の状態に維持しておく必要がある」と、同氏は話した。

(Josh Smith and David Brunnstrom 翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事