押し入れも!場所「ちょい貸し」で小遣い稼ぎ 使わない場所をシェアするビジネスが台頭
「実家の両親に勧め、駐車場を貸していますが、数千円でも収入になり、かつ自分で価格を変動させられるのが面白いらしく、日々予約を楽しみにしています。最初は一部でも自宅を貸すことに抵抗がありましたが、その意識も薄れてきているようです」(西浦氏)
空き家増の要因のひとつに、わが家を他人に貸すことへの抵抗がある。だが、駐車場や空いた一室を短期的に貸すなど抵抗の少ないところから始めることで、その意識を変えられるとすれば、実家を空き家にしないための一歩として利用するのも悪い話ではない。
会議室がない会社は少なくない
球場やお寺、映画館など従来にない場所を扱うことで話題になった「スペースマーケット」など、軒先登場以来、場を貸すビジネスは多種登場しているが、ビジネスパーソンであれば本業で借りるのはもちろん、貸す場合にも役立ちそうなのが会議室に特化した「スペイシー」だ。
貸し会議室自体は以前からある。代表的なのは、2005年の創業から右肩上がりで売り上げを伸ばしており、2017年3月に東証マザーズに上場した「ティーケーピー」だろう。
一方、スペイシーが手がけているのは大手貸し会議室運営会社とは異なる、日常使いの小規模な個室。広いオフィスを借りている時に人員を削減し空間を無駄にしたり、コンパクトなオフィスに移転後打ち合わせスペースがないという経験から、同社を2013年に創業した内田圭祐氏は、「起業したての会社は会議室がないことが多く、全体で見ても2割くらいの会社でスペースが足りていない。そこにニーズがあると判断した」と語る。
実際、利用の約8割はビジネスで、商談、面接、研修や電話会議、作業スペースとして使われている。残り1割は英会話、ヨガなどの個人レッスン、そして残りが個人の集まりに利用されているという。春先には採用、研修が多く、特に利用が増える。
現在掲載されている3300物件の9割5分が首都圏に集中。ターミナル駅やオフィス街など駅に近い物件を所有している人なら使っていない時間に貸してもいいかもしれない。ほかの貸し会議室に比べ、1時間1000円程度と安価な料金設定が多いものの、それでも1日5時間、平日20日間稼働すれば10万円になる。住宅として貸すより高収益と、わざわざ、ワンルームマンションを借り、転貸の許諾を得て貸している人もおり、新手の比較的安価に始められる不動産投資の一種としても考えられる。
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