押し入れも!場所「ちょい貸し」で小遣い稼ぎ 使わない場所をシェアするビジネスが台頭

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こうした「ちょっとした場所」にニーズがあるのか、と疑問に思うかもしれない。が、最近はそれこそちょっとした小商いを始めたいというニーズが高まっている。たとえば、普通にカフェを開業する場合、1000万円超という費用がかかるうえ、廃業率が高くリスキー。また、不動産を借りて出店した場合、立地に難があっても簡単に移動できない。こうした中、キッチンカーを利用して飲食店を「開業」する20~30代が増えているのである。

このほかにも、マッサージやネイルなどのサロンや各種教室を開きたいというニーズもある。介護や子育て中で、フルタイムでは働けず、自宅も使えないが、それでも週に何回かは働けるという人にとっては、サロンや教室開催は自分のスケジュールで働ける方法の1つだ。

ただ、いずれの場合も問題は場所。軽自動車1台分くらいの場所ならあちこちで空いているのに、不動産会社は扱っていないし、1日、数時間など短期で貸すこともしない。こうした人たちに利用されているのが軒先など「ちょいスペース貸し」なのである。

嵐のコンサートがある日は1日1万~2万円にも

軒先によると、最近はポップアップストア用途が中心になっているため、駅前や商店街内など人通りが多く、視認性の高い場所のニーズが高いという。だが、比較的駅に近い住宅地や公園その他公共施設の近くであれば、自宅の一部を貸すことも十分可能だ。

軒先では駐車場に特化したサービスも展開している。観光、イベントなどで一定の期間に多くの人出が見込まれる場合、周辺では駐車場不足が発生しがち。近年、アイドルのコンサートに伴った騒動が報道されているが、そうした地域を予測、周辺の一般家庭などの駐車場を利用できるようにする仕組みを展開しているのである。

シェアリングビジネスの多くはニーズに合わせて自分で料金を設定できるが、一定期間のニーズを対象にした場合にはその幅が大きいのが面白いところ。「駐車料金が月額5000円の地域で嵐のコンサートがある日だけは1日1万円、2万円になったり、東京ドーム近くで月に7万~8万円稼ぐオーナーがいるなど、場所によっては意外な収入になることがあります」と、軒先代表取締役の西浦明子氏は話す。首都圏以外でもイベント会場近くであれば、小遣い以上に稼げることもあるわけだ。

自宅のみならず、実家の使っていない駐車場を貸すという手もある。住宅街では本当にお小遣い程度の収入というが、副次的な効果がある。高齢者の意識が変わるというのだ。

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