日本人の意図を読めない外国人労働者の心情 そもそも労働に対する価値観が別物だ
年々、日本で働く外国人の数が増加しています。2016年には、外国人労働者の数が100万人を突破しました。
異なる価値観を持つ人材が集まり、新しいビジネスや商品が生まれている一方で、彼らの仕事の仕方や、働き方に戸惑う日本人も多いようです。ITエンジニアとして10年近く海外で働いてきた私も、いまだにその価値観の違いに驚かされています。
過去には、こんな経験もしました。ブラジルで進めていたプロジェクトにトラブルが発生したので、急いで日本から現地に飛びました。目的は、「プロジェクト納期を絶対に守る」「品質を確実に担保する」といった本気の姿勢を伝えて、現地のリーダーを鼓舞することです。
ところが、それが裏目に出てしまいました。現地のブラジル人リーダーに対して、私が必死になって課題や目標について話すと、「それはあなたに任せた仕事なのでよろしくお願いします」と、ことごとく逃げ腰の発言をされてしまったのです。
「集団主義的」な日本人、「個人主義的」な外国人
予想外の反応に、当時の私は驚きました。いったい、何がいけなかったのでしょうか? 経験を積んだ今なら、もっと彼らと日本人の「働き方の違い」について考慮すべきだったと思います。
私たち日本人の多くは、「集団主義的」な働き方をしています。仕事が遅れている人がいれば、チームでカバーするのが当たり前です。上司が命令するケースもありますが、多くの場合、チーム内で話し合うことで作業分担の見直しが行われます。
一方、外国の人たちは、最初に決めた作業分担をあまり見直しません。一度役割が決まると、自分にできる作業量や所要時間を周りの人に宣言します。自分の担当ではない作業に遅れが発生しているからといって、日本人のように積極的にフォローに入らないのが実情です。
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