説明覆したみずほ銀行、ずさんな対応を露呈 暴力団への融資を元頭取も知っていた!

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みずほ銀行は、今回の事件の事実確認、原因究明など目的とした第三者委員会である「提携ローン業務適正化に関する特別調査委員会」(委員長・中込秀樹弁護)を8日に設置した。同委員会による事実の解明を通じて、関与した経営陣などの責任が明確化されることになる。

問われる今後の対応

今回の不祥事を理由に、みずほ銀行は顧客企業から取引見直しなどを通告されるケースが出ている。今後、銀行に逸失利益が生じかねず、場合によっては、株主代表訴訟を提起される可能性もある。また銀行が、関与した経営陣に対して社内処罰のみならず、法的責任を問わざるを得なくなることすら想定される。

みずほ銀行は、過去2度にわたってシステムトラブルを発生させた際、経営陣の不手際が批判された。今回も一般行員たちの努力を踏みにじるような経営陣の失態がみずほ銀行を苦境に陥れようとしている。経営陣は、一般行員たちに今回の不始末をどう釈明するのか。

「10月4日に開かれた今年度下期の支店長会議で、佐藤頭取は『自分は無関係』と強調していたのに‥」。ある支店長は、取引先や部下への説明に頭を抱えている。みずほ経営陣に巣食った病は重い。

(撮影:尾形文繁)

浪川 攻 金融ジャーナリスト

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なみかわ おさむ / Osamu Namikawa

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカー勤務を経て記者となる。金融専門誌、証券業界紙を経験し、1987年、株式会社きんざいに入社。『週刊金融財政事情』編集部でデスクを務める。1996年に退社後、金融分野を中心に取材・執筆。月刊誌『Voice』の編集・記者、1998年に東洋経済新報社と記者契約を結び、2016年にフリー。著書に『金融自壊――歴史は繰り返すのか』『前川春雄『奴雁』の哲学』(東洋経済新報社)、『銀行員は生き残れるのか』(悟空出版)などがある。

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