スポティファイ、使用料問題で見えた光と影

いくつかの問題が待ち受けている

 3月12日、音楽ストリーミング配信サービス世界最大手のスポティファイは、2月28日の株式上場申請の際に、収入の増加ペースがコストの伸びを上回っていることを明らかにした。写真は同社のロゴ。ストラスブールで2014年2月撮影(2018年 ロイター/Christian Hartmann)

[12日 ロイター] - 音楽ストリーミング配信サービス世界最大手のスポティファイは、2月28日の株式上場申請の際に、収入の増加ペースがコストの伸びを上回っていることを明らかにした。楽曲使用料を巡る音楽制作業界との話がまとまり、同社のビジネスモデルにおける主な懸案が払しょくされたことがうかがえる。

スポティファイは2008年に設立され、今や60カ国以上で利用できるサービスになった。だが果たして音楽制作業界やアーティストに支払う多額の楽曲使用料を賄えるだけの契約者とその他の収入源を確保できるのか、という疑問はなお残っている。

米証券取引委員会(SEC)に提出したニューヨーク証券取引所への上場計画によると、スポティファイの昨年の収入は40億9000万ユーロ(50億5000万ドル)で前年比39%増加した。一方、主としてレコード会社や音楽出版社への使用料である費用の伸びは、2016年が49%だったが、昨年は27%に鈍化した。

費用が抑えられたのは、制作業界との間で新たなライセンス契約の合意にこぎ着けられたためという。

スポティファイの有料会員数は2月時点で約7100万人と、ライバルのアップル<AAPL.O>の3600万人の2倍近い規模。広告収入で運営する無料会員を含めた月間利用者数はおよそ1億5900万人に達する。

月間利用者の60%弱が無料会員

昨年は月間利用者の60%弱が無料会員だったが、毎月定額9.99ドルの有料会員からの収入が、視聴者から得られた全収入の9割を占めた。

しかし今後もいくつかの問題が待ち受けているようだ。

1月に米国の著作権取扱団体は、今後5年間でスポティファイやアップルなどのストリーミングサービスが作詞家と音楽出版社に支払うべき使用料を引き上げることを決めた、と音楽出版業界団体が発表した。

またスポティファイは、収入とコストのバランスこそ改善したとはいえ、昨年の純赤字は12億4000万ユーロと、16年の5億3900万ユーロから拡大し、営業赤字も3億4900万ユーロから3億7800万ユーロに膨らんでいる。

これはつまり同社がアップルやアマゾン・ドット・コム<AMZN.O>などと競争する中で契約者を増やして黒字に転換したいと考えるなら、自らの影響力を活用し、さらに有利な契約を制作業界と結ぶ必要が出てくることを示唆している。

(Subrat Patnaik記者)

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