オックスフォード大学が「世界一」の理由 コリン・ジョイスがその実力を解き明かす

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世界トップクラスの名門大学ながら、オックスフォード大学の素顔は実はよく知られていない(写真:zodebala / iStock)
世界大学ランキング2年連続1位に輝き、数多くの実力者を輩出する英オックスフォード大学は筆者コリン・ジョイスの出身大学でもある。その実力を解き明かすために特に興味深い点を紹介すると......。

学生は38のカレッジのいずれかに所属

僕はこの12カ月の大半を、新著『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)の執筆に費やしてきた。この本は主に僕のオックスフォード大学での経験について書いたものだけど、「なぜオックスフォードが世界一の大学なのか」に対するある種の答えのようなものを提示できれば、とも思っている。きっと興味を持ってもらえると思う事実をいくつか紹介しよう。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら

サッカーFAカップは世界で最も歴史あるイングランドのサッカー大会。オックスフォード大学は過去に1度優勝経験があり、つまり(イングランド・プレミアリーグの)レスターシティーFCや(オックスフォードを本拠地とするプロチーム)オックスフォード・ユナイテッドFC、そしてケンブリッジ大学に勝るということになる。オックスフォード大学は3回準優勝もしているが、最後に決勝戦に進出したのは138年前だ。

とはいえ、そんなFAカップもオックスフォード大学対ケンブリッジ大学の「ザ・ボート・レース」ほどの歴史はない。2度の世界大戦で中止されたときを除けばこのレースは1856年以降、毎年テムズ川で開催されているが、最初の単発レースは1829年に行われている。

オックスフォードの学生は38のカレッジのいずれかに所属し、各カレッジを構成する現役学生はほんの数百人であるにもかかわらず、それぞれのカレッジは強烈な個性を放つ。学生も卒業生も、大学より何よりもまずカレッジを自分の所属とみなす。学生はカレッジグッズのマフラーやネクタイ、スウェットを身に付ける......でも「オックスフォード大学」ロゴ入りグッズを身に付けることはまずないだろう。

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