帝人の機能繊維「ソロテックス」が人気のワケ

ジャケットやパンツなどで採用相次ぐ

ソロテックスは帝人の戦略素材。アパレル業界向けに昨秋開催した繊維展示会では、同素材を紹介するコーナーが会場の大半を占めた(記者撮影)

有名アウトドアブランドのザ・ノース・フェイスが昨年秋に発売した「ドーローライトパンツ」は、ストレッチの利いたスポーティなパンツだ。シルエットがきれいに見えるよう細身に作られているが、光沢感を抑えた柔らかい生地が軽やかに伸びて動きやすい。登山などのアウトドア用途のみならず、街着として買い求める若者も多く、品切れする店舗が続出するほどのヒット商品になった。

このパンツには「SOLOTEX(ソロテックス)」なる商標の化繊生地が使われている。帝人グループの繊維事業会社、帝人フロンティアが販売するPTT繊維系の高機能素材だ。

伸縮性があって型崩れしにくい

PTT繊維は代表的な化繊であるポリエステルの一種だが、分子構造が異なり、生地の触感がソフトなうえ、回復力が高くて型崩れしにくく、シワも入りにくい。また、通常のポリエステル糸と組み合わせると、加熱染色時の収縮率の違いから混合糸がらせん状になり、高いストレッチ性を帯びる。ノースのパンツに採用されたのもこの高ストレッチタイプの生地だ。

これまでストレッチ素材の多くは、化繊や綿にゴムのような性質のポリウレタン弾性糸を混ぜたものが大半だった。しかし、ポリウレタンは劣化が早く、着用や洗濯を重ねるうちに型崩れしたり、ひび割れしてしまう。そこで帝人のソロテックスが新たなストレッチ機能素材として注目され、冒頭のノース以外にもアパレル業界で採用が相次いでいる。

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