コンビニ市場の”飽和”は近いのか
セブンは出店攻勢、飽和を見据えローソンが新機軸
セブンにはまだ進出していない県が5つ(青森県、鳥取県、愛媛県、高知県、沖縄県)あり、伸びしろは十分あるということだろう。鈴木敏文会長兼CEOは「店舗数は今1.5万店あるが、楽に倍になるだろう」と言ってのける(関連記事:「セブン-イレブン、成長なぜ止まらない」)。
ファミリーマートは今期、単体ベースでセブンと同じ1150店の純増を計画。上期は438店増えた。同社の中山勇社長は「目標達成は視野に入っている」とし、「やっと上位の会社を追える規模になった。今ブレーキをかける状況にはない」と攻めの姿勢を崩さない。10月には国内1万店を達成する見通し。この規模になれば、スケールメリットを生かし、メーカーとの仕入れ交渉やプライベートブランド(PB)の開発を進めやすくなる。セブンの背中が見えてくるというわけだ。
一方、ローソンは、「無理な出店はしない」として、今期は単体で400店の店舗純増を計画(上期実績は244店の純増)。ただ、サークルKサンクスのエリア会社が展開する南九州の106店舗がローソンに鞍替えしたことから、グループ全体での純増計画を上方修正している。
店舗数を順調に増やしているものの、今回の中間決算で客数を増やして既存店売上げが前年を上回ったのはセブンだけ。100円のカウンターコーヒー「セブンカフェ」が大きな集客効果を発揮した。ただし、コーヒーだけを買って帰る客もいるため、客単価はわずかながら下落。ローソンとファミリーマートでは、ファストフードや惣菜などが好調で客単価が上昇した。一方で、客数の減少傾向が続いており、既存店の売上高は前年割れとなった。
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