住友林業「高さ350m木造ビル構想」の真意 「現代版バベルの塔」との揶揄を跳ね返せるか

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ここまでは外的要因だが、住友林業自体にも今、この構想を必要とする内的要因がある。それは、住宅事業と木材建材事業という二本柱に次ぐ、将来的なコアとなる事業の育成である。

市川晃社長は説明会の中で、このビジョンについて「街を森に変える環境木化都市の実現、木造化・木質化で安心安全な美しいまちなみの形成を目指し、世界をリードしたい」と語っている。

「木化」と「都市」

社長の発言の中で注目したいのが「木化」と「都市」という言葉だ。木化については、同社では近年、住宅事業部内に中規模木造建築物を専門とする組織「木化営業部」を立ち上げており、そのさらなる育成のためにこの構想が必要になった。

というのも、そのために欠かせない都市開発のノウハウが、大手不動産デベロッパーやゼネコンと比べてあまりにも脆弱だからだ。大和ハウス工業などの大手ハウスメーカーも参入しているが、それと比較してもそうだ。

このため、木化という今現在、他に比べてリードしている特徴を旗印として、そしてノウハウを醸成する環境を社内に作り出すことで、将来的にその一角に割って入りたいという思惑もこの構想には含まれている。

当然、専門性やアイデア、バイタリティのある優秀な人材の獲得や育成が必要になるが、それも狙いの一つだろう。現在人材難に見舞われる建設業界だが、この構想の発表が人材確保にも役立つとの目論みもあるはずだ。

住友林業が持つ強みをより強化することを狙ったものとも考えられる。社内にある研究開発部門・筑波研究所は、資源や材料、建築分野に関する高度な研究開発を独自に行っており、ビジョン推進により一層の飛躍が期待できるだろう。

たとえば、より燃えにくく、より生産性の高い、そしてより高強度で均質性の高い樹木の開発をバイオテクノロジーなどを活用することで生み出したり、耐火性の高い部材などを開発したりすることを想定しているという。

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