筆者も時々この路線を利用しているが、昨年11月に搭乗した際は、朝6時15分発という早朝便にもかかわらず、ボーイング787-8型機(335席)が満席だったことに大変驚いた。
現在も羽田~石垣線の搭乗率は高水準を維持している。ANA・JTA共に羽田~石垣線の年間平均搭乗率は8割、繁忙期は9割以上を記録。夏休みには片道3万円以上の航空券を販売してもすぐに満席になるという盛況ぶり。満席のため直行便が取れず、那覇乗り換えの便を仕方なく利用する人も多い。割引のきく団体よりも個人で利用する客の比率が高いので航空券単価も高く、収益面でも大きく貢献している。
3月末にはANAが季節運航だった福岡からの直行便が通年運航になるなど、今後も各航空会社の増便や、本土との新規路線が増える可能性がある。
悩みの種は「混雑」と「ラウンジ不足」
しかし、短期間の成長によって問題も出てきた。空港が大量の利用者にうまく対応できなくなっているのだ。
開港当時は、小型機であるボーイング737の就航を前提に設備を整え、地上職員や空港職員を配置していた。ところが後に中型機や大型機が就航したことによって当初の想定以上に乗客が増え、ターミナル内の手荷物受け取り場や出発待合室の混雑、チェックインカウンターや保安検査場の行列が目立つようになった。
特に中型機以上を運航するANAでは、チェックインカウンターのスペースが狭く、繁忙期には荷物を預けるのに1時間近く要することもある。上位クラス「プレミアムクラス」利用者や多頻度会員向けの優先チェックインエリアのスペースもなく、一般客同様に行列に並ぶことを強制される状況が続いている。
この問題に対し、ANAの菅隆宏石垣支店長は「一刻も早く優先チェックインカウンターを作りたいが、現状の限られたスペースでは難しい」と話す。
ターミナル内の混雑や行列に加えて、ラウンジの開設も喫緊の課題だ。
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