「アベマTV」立役者が仮想通貨事業に挑む理由 サイバーエージェントが狙う"経済圏"とは?

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――ビットバンクを選んだ理由は?

セキュリティがしっかりしているというのがいちばん大きい。CAは上場企業なので、安心安全に使ってもらえる環境にするのは絶対条件。ビットバンクでは当然、すべての通貨をホットウォレットとコールドウォレットに分けて管理をしているし、マルチシグ(秘密鍵を分散して管理する仕組み)の対応も適切に行っている。

ただ今回の(コインチェックの)件もあり、セキュリティについてはさらに意識を高めている。ビットバンクを疑っているわけではないが、上場企業と非上場企業が組んでいるので、立場や考え方の違いはある。自分たちの目でもチェックする外部委託先の管理体制を厳格に作っていく。

コインチェックの仮想通貨流出騒動は、セキュリティの重要性を浮き彫りにした(編集部撮影)

たとえば、マルチシグは3つの鍵のうち2つで開けられるという仕組みだが、その3つが同じ場所に管理されていてはあまり意味がない。そういう運用面が僕らの考えるセキュリティレベルに達しているかも見なければならない。単に「マルチシグに対応しているから絶対安全」「自社専用のプライベートネットワークだから大丈夫」というのではなく、運用面も含む全体感で評価していく。

今回、ビットバンクのサービスを管理するチームには、CA本体ですべてのセキュリティ体制を監査してきた人間も入っている。互いの強みを生かした形で安全性を担保していきたい。

大手であるサイバーが参入した理由

――現状、ビットフライヤー、コインチェックという仮想通貨取引所の上位2社にユーザーが集中していますが、このタイミングでCAという大企業が入っていく意味は。

仮想通貨市場は去年の頭から盛り上がってきて、今後も一定の規模を保っていくはず。既存プレーヤーも、新規参入組も、それぞれの特徴を打ち出しつつ、皆で市場全体を盛り上げていける時期だと思っている。

CAグループとしていろいろな事業を運営する中では、各部門から(仮想通貨やブロックチェーンを活用する案が)アイデアベースで出てきていた。これからさらにいろいろな技術が出てくるのであれば、仮想通貨を軸にしたウォレットのサービスをグループ内に持っておくことには大きな意味がある。

加えて、昨年4月の改正資金決済法施行で国が法体系を整備し、「(仮想通貨取引を)認めていくんだ」という方針を示したことも背中を押した。上場会社としては、お墨付きがない状態で参入するわけにはいかないので。また、ビットバンクというパートナーに出会えたことも大きかった。参入ありきで相手を探したわけではなく、CAが出資しているセレス(仮想通貨関連企業)経由で紹介され、彼らとなら一緒にやっていけるということになった。

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