「生きた教科書」1999年甲子園優勝投手の「今」 「目標は自分を超えること」正田樹投手が語る

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「僕のプロ野球選手としての目標は昔から変わりません。野球は本当に楽しいし、1年でも長く選手でいたい。毎年、シーズンが終わる頃にはいろいろ考えますけど、ずっとユニフォームを着ていたい、野球をしていたい。何かきっかけがあれば、まだ自分は変われるんじゃないかと思っています。2018年はマンダリンパイレーツの優勝を目指してやるだけ。

日本のプロ野球、独立リーグ、台湾、アメリカで野球をしてきましたが、野球というスポーツには変わらないすばらしさがあります。野球の魅力って、何でしょうか……試合で投げると楽しいし、勝つことには喜びがあります。試合に向けての準備、目標を立ててそこに向かっていく過程は特に面白いですね。目標に到達できた達成感はたまらないものがあります」

自分を超えることが一番の目標

今年で37歳になる正田は、まだまだ自分に期待している。だから、フレッシュな気持ちで新しいシーズンに臨むことができるのだ。

正田樹(しょうだ いつき)/1981年11月、群馬県生まれ。桐生一のエースとして、1999年夏の甲子園で全国優勝を果たした。1999年ドラフト1位で日本ハムファイターズ入団。2002年には新人王に輝いた。阪神タイガース、台湾プロ野球、新潟アルビレックス(独立リーグ)、東京ヤクルトスワローズでプレイしたのち、愛媛マンダリンパイレーツへ(撮影:松本隆志)

「キャッチボールの大切さをはじめ、昔なら気づかなかったことがわかるようになりました。若い時のようにいつも全力で投げていたらケガもします。

ピッチングのコツをつかめば、体に負担をかけることなく、長く投げられるんじゃないかなと思っています。もう少しピッチングのバリエーションを増やしたい。頭をさらに鍛えれば、ピッチャーとしてもっと成長できるんじゃないかな」

正田はさらに高いところを目指している。

「カッコよくバッターを打ち取りたいと気持ちは今でもあります。ユニフォームを着ている以上、いつまでもそれは持っていたい。

2018年の役割がどうなるかわからないので数字的な目標は立てにくいのですが、これまでで一番いい成績を、自分にとってのキャリアハイを目指します。過去の成績を上回れるように。自分を超えることが一番の目標です」

(文中敬称略)

元永 知宏 スポーツライター

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もとなが ともひろ / Tomohiro Motonaga

1968年、愛媛県生まれ。立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。大学卒業後、ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て、フリーランスに。直近の著書は『荒木大輔のいた1980年の甲子園』(集英社)、同8月に『補欠の力 広陵OBはなぜ卒業後に成長するのか?』(ぴあ)。19年11月に『近鉄魂とはなんだったのか? 最後の選手会長・礒部公一と探る』(集英社)。2018年から愛媛新聞社が発行する愛媛のスポーツマガジン『E-dge』(エッジ)の創刊編集長。

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