「生きた教科書」1999年甲子園優勝投手の「今」 「目標は自分を超えること」正田樹投手が語る
正田がプレイするマンダリンパイレーツは、四国アイランドリーグプラスという独立リーグのチームだ。プロ野球というカテゴリーにはあるものの、日本プロ野球(NPB)と比べれば、待遇では大きく差がある。プロ野球選手になる夢を追う若い選手が腕を磨く場所だ。
正田はそこで若手の「生きた教科書」として、黙々とマウンドに上がり続けている。
「走って体力をつけながら、技術の向上にも取り組み、結果を出すのが僕たちの仕事ですから。当たり前のことを当たり前にできる者が上にいける、それがプロの世界だと僕は思っています」と正田は続けた。
野球の楽しさと勝つことの喜び
2017年、先発投手から中継ぎに役割が変わっても、正田は正田らしいピッチングを披露した。36試合に登板し、1勝1敗6セーブ、防御率は1・38。
65試合のうち半分以上の試合に登板した正田は昨シーズンについてこう振り返る。
「それまでと違って、リリーフでの登板が僕の役割でした。年間を通して、ゲームから外れることなく、最後まで戦うことができました。愛媛に来てからはずっと先発で投げさせてもらっていましたが、去年はまた違ったピッチングができたように思います」
成長途中の選手の背中を押すのも正田の役割のひとつだ。
「練習も試合もずっと一緒にいますし、たまにはプライベートで食事することもあります。若い選手は、聞きたいことがあってもなかなか質問できないと思うので、なるべく話しかけやすいような雰囲気をつくるように心がけています。聞かれたことについては、自分のわかる範囲で、経験を踏まえて答えるようにしています。彼らが悩んでいること、苦しんでいることはよくわかりますから」と正田は言う。
NPB、台湾などでプレイしたプロ19年目のベテランは今シーズン、何を目指すのだろうか。
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