「東大合格の秘訣」を野球部・浜田監督が伝授 野球も勉強も勝手に限界を作ってはいけない
学んだことを人に話したい。これは人間の本能のようなものです。大人でも、いい写真を撮って「みんなに見せたい」と思ってSNSを利用する。「いいね」がもらえると、また投稿したくなるでしょう? 子どもも同じです。
また、学んだことを人に話す過程で、語学力や数字を使って論理的に説得する力などが養われます。こうした「伝える力」は、勉強の基礎となります。
東大野球部流 合格の秘訣
東大の野球部員は約80名。
ほとんどが高校3年の夏まで部活動を続けており、およそ3分の1が現役で、およそ3分の2が浪人した末に東大に合格しています。
彼らが高校時代に受けた模擬試験の成績推移を調べてみると、高校3年の夏の時点では、東大の合否判定が「D」や「E」だったにもかかわらず、部活動を引退した夏以降に「A」や「B」判定まで伸びて、合格しているケースが目立ちます。
こうした逆転合格を果たすには秘訣があります。私は次の5つを、毎年夏に開催する「高校生練習会」などの機会で「野球部流 合格講座」として高校生や浪人生に伝えています。
部活動をしている生徒は、試合で結果を出すために苦しい練習をしています。その経験を思い出せば勉強も頑張れるはずです。
東大を志す高校球児たちは「神宮球場でプレーしたい」「文武両道で日本一を目指したい」という目標を持っています。「高校生練習会」に参加して現役の東大野球部員といっしょに練習すると、その目標がより明確になります。明確な目標を持つと、勉強するモティベーションを高く保つことができます。
東大の入試問題も教科書から作られています。特に理科(物理・化学・生物・地学)と地理歴史(日本史・世界史・地理)の半分は教科書に答えが載っているような問題が出ます。教科書の内容、つまり基本をしっかりおさえることが合格につながります。「基本をおさえる」とは、教科書の内容を友達や後輩に説明できるということです。
野球の強豪校はなぜ毎年強いのか。それは一学年上の先輩がお手本になるから。「こうすれば甲子園へ行ける」という身近なお手本を真似することで力がつくのです。受験では東大に合格した先輩や尊敬できる先生がお手本になります。
たとえば野球の打撃では、内角の球が打てなくても、外角の球が確実に打てればいい。3回に1度、その球をヒットにできれば一流打者です。もし打撃が苦手でも、送りバントが得意だったり、足が速かったりすれば試合に出る機会は増えるはずです。勉強も同じ。まずは得意科目を伸ばして、確実に点を稼ぎましょう。
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