「東大合格の秘訣」を野球部・浜田監督が伝授 野球も勉強も勝手に限界を作ってはいけない

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山下朋大さんに合格体験記を伺いました(筆者撮影)

「中学1年の頃、東大に入りたいと思うようになりました。野球も勉強もしたいと考えたとき、目指すのは一番上である東大で野球をやることだと考えました。野球と勉強を両立させるのは大変でしたね。

中学3年の頃に成績が悪くなったり、高校3年時には東大の受験に落ちたりと、うまくいかない時期もありました。

でも『東大で野球がやりたい』というモティベーションがあったので、乗り切ることができました。

支えになったのは、先輩の存在でした。東海高の野球部OBに、2012年に東大野球部の主将を務めた永井兼さんがいます。『自分も永井さんのようになりたい』とお手本にしていました」

全力で野球をして全力で勉強する

「高校3年夏の時点で、東大模試の合否判定は「E」。当時は基本ができていないのに難しい問題ばかり解こうとして、成績が上がりませんでした。浪人してから基本をやり直したところ、成績が伸びましたね。

浜田一志(はまだ かずし)/東京大学硬式野球部監督。1964年高知県生まれ。小学生から野球を始め土佐高校時代は甲子園を目指して野球漬けの日々。3年夏の大会引退後、東大受験を目指し、東大理Ⅱに現役合格。野球部に入部、4年時は主将として東京六大学リーグで活躍。卒業後は新日本製鉄を経て、1994年に「Ai西武学院」を開業し塾長。2012年11月に監督就任(筆者撮影)

また、浪人した年の夏に浜田監督の「野球部流 合格講座」を受講しました。それまではどの科目も平均的だったのですが、英語を頑張った結果、東大模試での偏差値が65まで伸びて『得意技』を作ることができました。

文武両道は大変ですが、やりたいことは続けた方がいいと思います。野球をやるときは全力で野球をやる。勉強する時は全力で勉強する。その切り替えが大切です。

僕は野球で『この時期までにこれができるようになろう』と考えて練習していました。それが受験勉強にも生きましたね。目標から逆算して計画的にやれば、実現できると実感しています」

山下の例は、いいお手本になると思います。ぜひ参考にしてみてください。

最後に、大事なことなのでもう一度言います。

「自分で勝手に限界を作るな! 野球も勉強も『こんなもんだろう』と思うとそこまで。自分の可能性を信じてチャレンジ」。

佐伯 要 スポーツライター

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さえき かなめ / Kaname Saeki

和歌山県出身。スポーツメーカー勤務を経て、フリーライターとして活動。『週刊ベースボール』『大学野球』『ベースボール・クリニック』(以上ベースボール・マガジン社)などの野球専門誌を中心に執筆。

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