五輪で注目、「北朝鮮美女軍団」は何者なのか 宣伝扇動の役割も担うウーマンパワー

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2月10日、アイスホッケー女子予選で登場した北朝鮮の応援団。同じお面を取り出す応援手法が話題になった(写真:ロイター/アフロ)

2月9日から開催中の韓国・平昌(ピョンチャン)冬季五輪。各国から集まった一流アスリートの動向に加え、気になるのは北朝鮮の動きだ。中でも、大挙して押し寄せた北朝鮮応援団の応援ぶりは、韓国内外で高い関心を呼んでいる。

10日のショートトラック男子1500メートル予選で今大会“初出場”した応援団は、同じ10日にアイスホッケー女子南北合同チーム対スイス戦に登場。「統一旗」を手に赤のユニホームでそろえ、一糸乱れぬ歌や踊りによる応援を繰り広げた。特に、一斉に男性のお面を取り出して行う応援風景は、その異様さと、お面の男性の正体についても話題になった。

応援団員はほとんどが女性。応援団は14日夕刻に始まるアイスホッケー女子の日本戦にも登場する。はたして彼女たちはどのような人物なのか。

過去の応援団には金正恩の妻も

応援団は2000年代に数度、韓国に来ている。2002年の釜山アジア大会、2003年8月の大邱(テグ)ユニバーシアード大会、2005年の仁川アジア陸上選手権大会にも派遣された。特に2003年に派遣された応援団の中には、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妻である李雪主(リ・ソルチュ)氏もいたことがよく知られている。

中心メンバーは、北朝鮮では最高の音楽家養成機関とされている金星(クムソン)学院の学生のようだ。金星学院は日本でいえば中学生から大学生まで、音楽の才能ありと選抜された学生たちが学んでいる。李夫人も金星学院の学生だった。

「北朝鮮では、子どもの時から一芸を育てる教育が浸透している」(中国の北朝鮮専門家)。音楽に限らず、幼少の時から才能あり、と判断されたものは集中して教育させるシステムがある。平壌市内のレストランでは、従業員らが食事の合間に歌や踊りなどを披露、そのレベルの高さに驚くことがある。これも「それなりに幼少のころから教育されているため」(前出の専門家)、普通の人でもそれなりの芸事を持っているという。

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