韓国の若者が「南北統一」に嫌悪感を抱くワケ

親世代の価値観とはずいぶん違う

「統一旗」を持って、南北合同女子アイスホッケーチームの応援をする北朝鮮の応援団(写真:Ed Jones/AP Photo)

北朝鮮からやってきたその女性は、朝鮮労働党の標準的な党路線を踏襲していた。「世界中すべての朝鮮人は、南北統一を夢見て、それを目指して取り組んでいる」。3年前に平壌で話した時、彼女は私にこう語った。

それに対し、「本当は、こんなことは言いたくないのだけれど……」と、筆者は前置きしたうえで、「私は『南の村』にしばらく滞在していたが……」と、北朝鮮の人が婉曲的に韓国を指す言い方を用いて慎重に話した。「ほとんどの若者たちは統一に対する関心を失っている。彼らは、朝鮮は2つの個別の国から成り立っているのであり、わざわざ統一する必要はないと考えている」。

そんな話を聞いたのは初めてだっただろう。彼女は口ごもると話題を変えた。

北朝鮮のメッセージは伝わらない

2月9日から韓国で開催されている冬季オリンピックの長期的な影響として、こうした「メッセージ」が北朝鮮の同胞たちに届くことがあるかもしれない。韓国の同胞たちに対してでもある。北朝鮮の韓国に対する「ほほ笑み外交」はもはや通用しないだろう。 韓国の若い世代は統一にあまりこだわっていないのである。

北朝鮮はこれまで、米韓同盟を支持する韓国保守派層の取り崩しを図りつつ、朝鮮民族による「民族共同体」の実現を掲げて韓国の人々の感情に訴えることで、自分たちへの支援を取り付けようとしてきた。

とりわけ、過去に韓国が取り組んだ太陽政策期間中に、人種や家族のつながりに関する韓国側の感情をゆさぶる戦略は、ある意味このようなことだと言えるかもしれない。「われわれは、あなた方南側の兄弟姉妹と協力し合うことを望んでいる。しかし、米国が間に入ってその邪魔をしているのだ」。

北朝鮮による団結を求めるアピールは、オリンピックを媒介とした1月以降の北朝鮮政府と、韓国・文在寅政権の複数のやり取りや融和的手段につながった。こうした中には、南北合同アイスホッケーチームの組成や、北朝鮮・馬息嶺スキー場での共同練習、南北テコンドー演武団の合同公演や北朝鮮芸術団によるソウル公演などが挙げられる。

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