韓国の若者が「南北統一」に嫌悪感を抱くワケ 親世代の価値観とはずいぶん違う

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自由主義と進歩主義の価値観が広がっていることも要因だ。より多くの若者が外国で学ぶか、海外旅行を体験している。彼らは外国のメディアに触れ、異人種間の結婚が普通になったのを目の当たりにしている。血統、人種の純度、独自性に対する彼らの考え方は変化しつつある。

そして、両親の世代とは異なり、彼らは北朝鮮人を実際には知らない。朝鮮半島の分断は政治的なものであり、個人には関係のないものだ。北朝鮮が機能不全に陥っていることを考えれば、北と統一することに魅力を感じないのは当然だろう。

北朝鮮はどうする?

先月、北朝鮮が“韓国人すべて”に対し、協力と一体化の促進を呼びかけたのを若い韓国人たちは聞いたが、それに対し行動を起こすことはなさそうだ。彼らにとって朝鮮人の韓国への訪問は、興味深いものではあっても、2000年代初頭の支援活動時にあったような喜びと希望に満ちたものにはならないだろう。

文大統領は民主的で実用主義的な政治家である。もし、同氏のやっていることが、多くの国民が抱いている感情よりもはるかに先行しすぎるような事態になれば、方針の見直しを行うだろう。

北朝鮮政府がどのような反応を示すかは別の問題だ。北朝鮮のエリート層 (国外を旅行したことがある人や、インターネットを使える人) の中には、韓国の若者の流行に敏感な人もいるが、特に政策立案を行う年長者はおそらくそうした情報を持ち合わせていないだろう。ほほ笑み外交が、過去何十年にもわたって与えてきた影響を及ぼさなかった場合、北朝鮮政府はメッセージを見直すだろうか。

北朝鮮政府が統一的な発言を控え、国境で隔てられた人々の共存を訴えるメッセージに変更することも考えられる。しかし、実際にはもはや存在しない国民感情を動員するために、もはや機能していない宣伝活動を活発化させるという賭けに出る可能性もある。ただ、北朝鮮政府が核兵器実験や挑発行為を今後も繰り返すのならば、どちらの戦略も成功しないだろう。

北朝鮮のエリート層がどのように政策決定を行っているのかが不明瞭なため、北朝鮮政府の反応を予測することは難しい。しかし、平昌オリンピックが、北朝鮮と韓国がお互いをどのように理解しているか、ということにおける重要な転機になるのは間違いない。

著者のアンドレイ・アブラハミアン氏は、戦略国際問題研究所(CSIS)のリサーチフェロー。このコラムは同氏個人の見解に基づいている。
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