北朝鮮「ICBM発射成功」は巨大災厄をもたらす

米本土「射程入り」にトランプはどう応じるか

北朝鮮メディアの発表を報じる韓国のテレビ(写真:ロイター/Kim Hong-Ji)

北朝鮮が7月4日、「特別重大報道」を発表し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に成功したと発表した。軍事専門家の間では、北朝鮮が早晩、ICBM発射実験を行うだろうとの見方があったため、これは驚くに値しない。

直近では、米国の国家情報長官室で東アジア担当の局長を務めるスコット・ブレー氏が6月26日、北朝鮮が年内にICBMの発射実験を行う可能性があることに懸念を表明していたばかりだった。

この時期の実験は事前に予想されていた

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、2月の日米首脳会談開催時や4月の米中首脳会談の直前など、北朝鮮への国際圧力を強める節目の重要イベントの際に弾道ミサイルの発射を強行した経緯がある。米韓首脳会談やドイツで今週末に開催される20カ国・地域(G20)首脳会議において、国際社会が北朝鮮の核ミサイル開発に対する圧力を強めていく情勢にある今は、北朝鮮にとって絶好のアピール機会だ。そのため、初のICBM発射実験がこの時期にあるのではないかと予想されていた。 

とはいえ、金正恩委員長が今年元日の「新年の辞」で、近い将来の ICBM発射をちらつかせた際、トランプ大統領はツイッターで「そうはさせない」ときっぱり述べていた。このため、北朝鮮によるICBMの初実験は、トランプ大統領の個人的なメンツを潰したかっこうだ。

トランプ大統領は金委員長の度重なる挑発に、軍事攻撃の本気度を試され続けているが、韓国や日本の多大な被害リスクをマティス国防長官ら側近たちがしばしば指摘するなか、今もそれができずにいる。このため、トランプ政権は中国を通じて間接的に、あるいは、直接的に北朝鮮に対し、軍事的圧力を含め、さらなる強硬姿勢に打って出てくることが予想される。

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