200人希望退職でも収まらぬグリーの不安 所有株売却で幹部社員が流出の危機も
有力社員流出のおそれも
今回の希望退職実施は業績悪化に伴う応急措置だが、グリーにはもう一つ、大きな悩みの種がある。古参の有力社員に権利付与したストックオプションの待機期間切れという問題だ。
2008年12月の上場時点で存在した新株予約権による潜在株式の所有者77名(一部退職者含む)は、2013年12月をもって全てのストックオプションの権利行使が可能になる。所有株の売却益が実際に払い込まれる2014年2月には、「これに該当する大方の社員が売却益を手にして会社を去るのではないか」(グリー関係者)という声が出ている。
グリーは9月末から新しい経営体制を敷いているが、経営幹部を含む事業責任者には、上場時点で大量のストックオプションが与えられている。仮に権利行使の待機期限切れによって有力社員が株を売却して、会社を去る事態になれば、先行きはいよいよ危うくなる。
そうした事態に陥らないようにするためには、ひとえに創業者である田中良和社長の踏ん張りが必要だ。現在の苦しい状況を我慢するよう社員を鼓舞し、未来へとつながる道筋を示すのが、田中社長の役割だ。経営者としての真価が問われる局面といえるだろう。
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