あなたは、結婚相手の希望・要望・問題意識は、明確に実家に伝えるべきでした。
私の友人の友子さん(仮名)に、初孫が産まれたときのことです。娘夫婦は友人宅から車で20分の距離に住み、共働きでした。時間を持て余している友子さんは孫の誕生がとても楽しみで、自分の出番が多くなるのを楽しみにし、張り切っていました。
息子のいない友子さんは婿には息子のように接し、関係も良好です。友子さんの楽しみを遮る障害は、何一つ見当たりませんでした。「イクメン」という言葉を、私たちの年代がまだ知らないひと昔前のことです。
ところがこの友子さん、いざ孫が産まれるとなると娘から、「2人の産休を最大限利用し、できるところまで自分たちで育児したい」と宣言されたのです。何よりも婿の意思が強いことを強調されました。
イクメン意識の高い婿の意思を知った友子さんは、「それはとても赤ちゃんにとっても良いことだ。全面的に応援する」と、あっさり引き下がりました。この場合の友子さんの“応援”とは、“手出し・口出ししたくてもしないこと”ですね。「婿が赤ちゃんをお風呂も入れているの、ハラハラ・ドキドキよ、ホホホ……」。
匿子さんのケースとは異なり、友子さんの娘さんは、夫の意思を実母に明確に伝えていました。これに対し匿子さんは、実母が孫に過干渉すぎるという夫君の不満を、(孫かわいさ余ってのことだからと)とても遠慮ぎみに、やんわりとしか母上に伝えていません。だからこれが伝わっていません。
育児の全責任者は誰でしょうか? 夫君がその過干渉を嫌っておられる以上母上に、育児に過干渉しないよう、あなたから明確に強く、伝えるべきです。実家のご両親も、祖父母として成長してもらわなければなりません。
挨拶は人格を表す
挨拶がない人というのは、ほかのさまざまな“人格的欠陥”と結び付けられてしまいがちなものです。匿子さんのご両親は、孫の誕生会で、あなたの夫や義両親に挨拶もせず帰った非礼がどれほどのものか、気づいておられません。「本当に孫はかわいいですね。成長が楽しみです。本日はありがとうございました」などと挨拶して別れる場合との差を想像してください。いい年をして挨拶もできない人だと見下げられても弁明できません。
挨拶にもいろいろあります。私はこの年齢になって気づいたことがあります。よく「挨拶や感謝することを知らない人」といいますが、これは時に、“自分が未経験か無知で、それがどれだけ感謝すべきことか想像できない人”と言える場合があることです。
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