体育館に茶室…マンション共用部が凄すぎる 大型化で様変わり、合言葉は「コミュニティ」

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千葉県習志野市にある大規模マンション「ユトリシア」には体育館が併設され、13のサークルが活動している(記者撮影)

ここは学校か、と見まがうばかりの施設を持つマンションがある。京成本線「実籾(みもみ)駅」から徒歩12~13分。県道57号線を曲がると、巨大な建物群が見えてくる。大成有楽不動産(旧有楽土地)が2009年から丸6年かけて順次竣工した総面積7万平方メートル超、総戸数1453戸の超大規模マンション「ユトリシア」だ。

ここには大規模物件ならおなじみのゲストルームやキッズルームのほか、「バーベキューサイト」や「ファミリー菜園」など、とにかく共用施設が盛りだくさん。中でも圧巻なのがフルコートの体育館だ。最近ではハーフコートの体育館を持つマンションも増えてきているが、それとは圧倒的に規模が違う。

マンションが1つの街

1453戸という規模は、それだけで1つの街となる。マンションを開発した大成有楽不動産の岩井健司・建設部次長は「大きな街だからこそ、コミュニティ活動の拠点となる施設が必要になる」と考えたという。その中心がアリーナ、体育館だった。

ユトリシアの設計に取りかかった2007年当時は、マンション内でのコミュニティ活動はそれほど重要視されていなかった。だが、岩井氏自身が過去に手掛けた物件を訪ねて歩くうち、笑顔があふれているマンションはイベントなどコミュニティ活動が活発だということに気がついたという。

ユトリシアでは、岩井氏のもくろみどおり、体育館を軸としたサークル活動が盛んだ。ママさんバレーやシニアのフットサル、バスケットボールなど、13ものサークルが体育館を活用している。住民のボランティアが指導するジュニアのチアリーディングは、本場米国のチアダンス選手権に出場するほどの強豪に育った。チアダンチーム加入はマンションに住んでいる子ども限定だが、人気が出すぎて、入れないケースもあるほどだ。

登録メンバーが30~40人いるバスケットボール部は、体育館オープン当初の2009年から活動を続けている。現在の代表を務める松尾浩道氏は「体育館を目当てに(マンションを)購入した人も多い」と説明する。「自宅から3分。長続きしているのも、気軽に集まれるから」と、屈託のない笑顔を見せる。

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