東洋経済オンラインでは、連結子会社のランキングを配信している。5年前と比較して、連結子会社数を増やした会社を配信する。子会社を増やした会社の上位をみると、M&Aに積極的な企業が目立つ。特に海外に対する大型M&Aを行って、傘下に増やした会社が並んだ。
なお、5年の間に会計基準の変更があると、子会社数を集計する範囲が変わる。たとえば、国際会計基準を採用している場合、株式の持分が50%に満たない場合でも、実質的に支配下にある企業は連結子会社とする。また、経営成績に影響を及ぼさない重要性の乏しい会社を非連結子会社にするという概念がないため、日本基準時より多くなる場合が多い。会計基準の変更がある場合は単純な比較ができないので「※」を記した。
海外子会社を増やして海外売上高が急増する例も
ランキングの1位は電通。2013年に、イギリスのイージスを完全子会社したことで、増加した。電通はこの5年の間に会計基準をIFRS(国際会計)基準に移行しているが、これによって子会社数の算定方法が変わったのも1つの要因だ。イージスの子会社化の影響は、電通のセグメント別の売上高で確認できる。2012年時点では海外の売上比率は全体の14.5%にとどまっていたが、直近の2016年12月期では海外売上比率が54.0%まで高まっている(電通決算説明資料より)。
2位はソフトバンクグループ。相次ぐ海外企業のM&Aによって企業規模を拡大している。5年前に133社にすぎなかった子会社数は763社まで増加。2016年9月にはイギリスの半導体設計会社のARMホールディングスを子会社化したことによって48社が加わるなど、増加傾向が続いている。
今回から金融業界を調査対象に加えているが、野村ホールディングスが3位になった。野村ホールディングはこの5年間に522社増加させた。その他、金融業界では損保の増加も目立つ。SOMPOホールディングス(17位、103社増)、東京海上ホールディングス(20位、90社増)となった。もともと一般事業会社に比べて子会社が少ないものの、大幅に子会社を増やしている。特にSOMPOホールディングスは、損害保険ジャパンと日本興亜損害保険の合併を進める一方で、ワタミの介護株式会社を連結子会社化して介護事業に参入するなど、連結の対象を大きく入れ替えた。
調査対象の2684社中、5年前比で連結子会社数を100社以上増加させた会社は18社、1社以上増加させた会社は1423社だった。
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