就活では大企業の人気が高いという記事をよく目にする。では、大企業とはどんな会社なのだろうか。企業規模の大きさを考える際に、連結会計上で収益を反映する連結子会社をどのくらい有しているかというのも一つの参考になる。
東洋経済では上場企業の直近の有価証券報告書から連結子会社数を独自調査した。去年までの調査では一般事業会社のみを対象としていたが、今回調査からは金融機関を対象に加えた。ランキングでは、子会社数と同様に企業規模の参考になる、連結ベースの売上高と従業員数を併載した。1000社以上の連結子会社を保有しているのは2社だった。
社名の横のIとSは日本基準以外の会計基準を採用していることを示す。I=IFRS(国際会計基準)、S=SEC(米国会計基準)。会計基準によって連結子会社の範囲に含まれるかどうかの基準が異なっている。
たとえば、国際会計基準を採用している場合、株式の持分が50%に満たない場合でも、実質的に支配下にある企業は連結子会社とする。また、経営成績に影響を及ぼさない重要性の乏しい会社を非連結子会社にするという概念がないため、日本基準の時より多くなる場合が多い。
金融機関で最も子会社が多いのは野村ホールディングス
ランキングの1位はソニーで、1292社の連結子会社がある。金融子会社のソニーフィナンシャルホールディングスは、安定的に利益を稼ぎ出すソニーの屋台骨。ソニーとオリンパスの合弁で設立された医療機器メーカーのソニー・オリンパスメディカルソリューションズや、スマートフォンのカメラに利用されている半導体イメージセンサーを製造するソニーセミコンダクタソリューションズなども子会社に含まれる。
今回から初調査となる金融業界では、野村ホールディングスが1285社で2位になった。上場会社は持ち株会社のため、証券事業を行う野村證券や資産運用業務を行う野村アセットマネジメントも子会社になる。ランキングではカウント外だが、持分法適用会社まで範囲を広げると、野村総合研究所や野村不動産も含まれる。
3位は日本電信電話(NTT)で、昨年より37社増やして944社。NTTドコモやNTTデータなど有力子会社がある。こうした有力子会社も多数の子会社を有し、NTTグループを形成している。
「日立の樹」のCMで知られるように、4位の日立製作所は子会社が多い会社として知られている。近年は事業の選択と集中を進めていて、子会社数は減少傾向にある。2016年には日立物流や日立キャピタルの株式を一部譲渡し、持分法適用会社化。2017年3月には日立工機の株式を譲渡して、電動工具事業を売却するなどしている。
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