オラクル社長、膨大なデータ量に“商機” 「オープンワールド2013」現地リポート(2)
また、現在使われているアプリケーションの古さも指摘した。「20年がアプリケーションの平均寿命と言われている。20年前というと93年。インターネットが普及する前、モバイルもツイッターもなかったような、ずいぶん前に開始されたアプリケーションがいまだに使われている。その維持にもお金がかかっている」。新しいことをやらなければいけないが、IT予算は無限に使えるわけではない。実際にコストを減らさなければ、新しいことはできないという認識のもと、製品開発を進めているようだ。
エアバスやNY証取も膨大なデータ処理にIT活用
そして、紹介されたのがエアバスの事例。同社のファブリス・ブレジエCEOによると、飛行機のフライトの効率を上げるのにITを活用しているという。飛行機1台に100以上のセンサーを取り付け、そのデータはすべて分析されている。「精度の高い情報が入り、それが価値となる。航空機をうまく運営できるようになる」とブレジエCEOは説明した。ほかに、NTTドコモやソフトバンクでの活用事例もスクリーンで紹介された。
続いて紹介されたNY証券取引所の事例では、同証取を傘下に持つNYSEユーロネクストのダンカン・ニーデラウアーCEOが自ら登壇し、古い会社が抱える課題を語った。
NY証取は1792年に開設されたが、自らが株式公開したのは1999年。「2007年にヘッドになったときは、株式公開したばかり。普通は株式公開まで200年強も待つことはない。そこで新たな経営を取り組むことになった。当時はフランスのユーロネクストとの合併話が進んでいたのですが、歴史をみれば米仏間の合併というのはうまくいったことがなかった」(ニーデラウアーCEO)。そこで、1年目には、5億ドルをかけてロンドン郊外とニュージャージーにデータセンターを設置し、毎年2億ドルのコスト削減につなげたという。
「取引所というのは市場というよりはアプライドテクノロジー。われわれのビジネスはデータを扱うこと。1秒あたり18万5000のメッセージ、毎日2テラバイトのデータ、2.5兆ドル分のトランザクションを処理している。そして、取引所が開いていなかったり動いていなかったら大変なことになるため、セキュア(安全)なかたちでやっていなければいけない」と語った。そのためにも、レガシーシステムから離れる必要性が説かれて、セッションが終わった。
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