iPhone、今選ぶのであればどっちがいいのか 年末年始に買い換える場合の基礎知識

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さらに、iPhone Xに搭載されたFace IDを実現するTrueDepthカメラを用いると、セルフィーもポートレートモードでの撮影が可能となる。インカメラでのポートレート撮影はアウトカメラのそれと違い、被写体から2.5m程度の距離を取る必要がなく、普段通りセルフィーを取る感覚で撮影できるため自由度も高い。

もちろんiPhone 8も、アウトカメラ、インカメラそれぞれ非常に高い画質の撮影が可能だし、iPhone 8 Plusもポートレートモード撮影を楽しめるため、カメラ機能に不満はない。ただ、カメラにこだわるなら、iPhone Xを選んでおくと、より楽しめるだろう。

長期目線でのiPhone選び

最後に、今後のiPhoneの展開を見据えた機種選びについて触れておきたい。機能面の違いとともに気になるのは、なんといっても価格だろう。

iPhone Xは米国で999ドルから、日本では11万2800円(64GBモデル、税別)と、特別モデルとしての高い価格が設定されている。スタンダードモデルであるiPhone 8の7万8800円、iPhone Xよりもビデオ再生時に大画面となるiPhone 8 Plusの8万9800円と比較すると、2万3000〜3万4000円の差額が生じている(価格はいずれも64GBモデル、税別)。

もしiPhone Xに興味がある場合、iPhone Xならではの魅力である新しいディスプレイやカメラの充実といった優れた体験と、この差額とを天秤にかけることになる。

コンパクトなサイズというiPhone 8の魅力と、大画面とポートレートモードというiPhone 8 Plusの魅力を兼ね備える1台として、またいち早く新しいiPhoneに触れたいという場合も、iPhone Xに傾く十分な理由となるだろう。

アップルは2018年に発売するiPhoneについて、全てをホームボタンなし、TrueDepthカメラ搭載のモデルにする計画があると伝わってきている。現在の5.8インチのiPhone Xをベースに、よりサイズの大きい6インチ超えの有機ELディスプレイを搭載するモデルが登場することは間違いないだろう。さらに、液晶ディスプレイを採用する6インチの全画面モデルのうわさも取り沙汰されるようになった。

その際、5.8インチのiPhone Xが999ドルの価格に据え置かれる可能性は低いのではないか、と考えている。iPhone 8の699ドルにはならないかもしれないが、800ドル前後の価格に落ち着くだろう。全画面モデルのiPhoneの選択肢が拡がり、価格が安くなってから選ぶということであれば、1年待つか、どうしても機種変更が必要な場合はiPhone 8シリーズを選んでおいても良い。

アップルはApple Storeで「iPhone下取りプログラム」を展開している。例えばiPhone 8/8 PlusやiPhone Xを購入する際、1年前のiPhone 7 Plusであれば最大4万6000円の下取り額となる。iPhoneを取り扱っている携帯電話会社も、同様の下取りキャンペーンを行っている。こうしたキャンペーンが今後も続いていくことを見越して、今年はiPhone 8やiPhone 8 Plusを選び、次のiPhone Xシリーズを再び選ぶという計画も一考の価値がある。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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