2018年「IPO」予想、期待はメルカリにQBハウス 2017年は最後に大物が駆け込んできた

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東京大学大学院で最先端の機械学習技術を研究した上野山勝也社長が起業。2018年9月期は売上高14億円、営業利益5.6億円の計画だ。トヨタ自動車やNTTドコモが株主に名を連ねていることも、技術力への期待を裏打ちし、PER(株価収益率)は14日終値で351.6倍と極めて高い。

また2017年は投資ファンド傘下にあった企業の再上場も目立った。代表格は3年ぶりに上場した調査会社マクロミルと、回転ずし首位「あきんどスシロー」を運営するスシローグローバルホールディングス(8年ぶりの上場)だ。

大型上場で値動きが鈍く、投資家が短期的な利益を得にくいこともあって、両社とも初値は公開価格割れに陥った。その後は業績や成長性を徐々に反映し、株価はともに公開価格を超えて上昇。マクロミルは対初値騰落率ベスト12位に入った。

騰落率でワースト1位になったマーケティング支援のシャノンは6月に行った2017年10月期の業績見通しの下方修正などが影響。ワースト2位になったAI開発が軸のユーザーローカルも初値は公開価格の4倍超にハネ上がったが、その後は右肩下がりで推移している。

ただし、公開価格に対する2017年の初値騰落率(11月29日時点、IPOジャパン調べ)は平均で120%と2016年の同72%を大きく上回っている。株式市場の好況で、公開価格算出の基礎にする既上場の類似会社の株価水準はすでにかなり高い。

そうした状況下での平均初値騰落率の高さに「IPO市場には過熱感が出ている」(西堀編集長)と指摘する声も出ている。

QBハウスも上場か

危うさをはらみつつも、IPO市場の熱気は2018年も続きそうだ。野村証券の倉本敬治・公開引受部長は「90〜100社が上場するのでは」と予想する。

市場関係者の間で2018年のIPOが取りざたされるのが、フリマアプリが主力のメルカリだ。ヘアカット専門店のQBハウスを展開するキュービーネットホールディングスやフィンテック分野でクラウド会計ソフトを手掛けるfreeeなども話題に上る。

良好な市況を足掛かりにする上場が増えても、最後は個々の企業の実力とそれを見極める投資家の眼力が試されることになる。

山田 泰弘 東洋経済 記者

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やまだ やすひろ / Yasuhiro Yamada

新聞社の支局と経済、文化、社会部勤務を経て、2014年に東洋経済新報社入社。IT・Web関連業界を担当後、2016年10月に東洋経済オンライン編集部、2017年10月から会社四季報オンライン編集部。デジタル時代におけるメディアの変容と今後のあり方に関心がある。アメリカ文学、ブラジル音楽などを愛好

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