ソニー復活を支えるイメージセンサーの前途

大きなチャレンジに直面している

イメージングが「きれいに残す」のが目的だとすると、センシングは人の目に見えない情報も取得する技術で、すべてのモノがインターネットにつながるIoT(インターネット・オブ・シングス)時代に不可欠な技術として市場の広がりが期待されている。

早稲田大大学院経営管理研究科の長内厚教授はソニーのイメージセンサー事業が成功した背景について、2つの「マイノリティー(非主流派)」状況が功を奏したと分析する。

イメージセンサー事業が半導体の中ではマイノリティーだったため、大規模投資のレースに参加しなくて済んだことに加え、ソニーの事業としてもマイノリティーだったことから、技術革新を身軽に進めやすい環境にあったという見立てだ。

インダス・キャピタルのダニエルズ氏も、ソニーの成功は「半導体の中でもニッチな分野への集中をかなり前に決断した結果だ」と口をそろえる。ダニエルズ氏は、同社のファンドがソニー株を保有しているかどうかを明らかにしなかったが、センサー事業を高く評価している。

設備投資コスト拡大の懸念も

だが、同社のイメージセンサー事業の先行きに不安がないとは言い切れない。長内教授は「今こそ、気をつけなければいけないタイミングだ」と警鐘を鳴らす。

CMOSイメージセンサーは将来的には自動運転やロボットなど「第4次産業革命」の幅広い分野での活用が見込まれているが、現在はスマホ向けが大半。そのスマホ市場は成長鈍化が鮮明だ。デュアルカメラの普及という追い風はあるものの、「消費者はいつまでスマホを買い続けるのか」(清水氏)という不安がよぎる。

さらにCMOSセンサーはアナログ技術がベースで大型の設備投資が必要ないとはいえ、顧客の要求に応えるために毎年新しい技術を投入せざるを得ない状況になりつつあることにも注意が必要だ。

清水氏は「常にローコスト体質でいられるわけではない」と指摘。「(大規模投資が必要な)メモリーとまでは言わないが、そういう要素も出てきたので、コスト改善により力を入れていかないといけない」と警戒感をにじませた。

(志田義寧 山崎牧子)

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