消す?消さない?ネットの「ストーカー広告」

デリケートな検索結果もダダ漏れ

あなたの行動も知らぬ間に「追跡」されている(写真:Getty Images、デザイン:新藤 真実)

「ここぞというプレゼンテーションだったのに、大恥をかいた!」。そう言って憤まんやる方ない様子なのは、ある女性起業家だ。プロジェクターを使ってあるサイトを見せながら事業プランを説明しようとしたところ、セクシーなブラジャーのインターネット広告がいくつも画面に表示されたというのだ。

彼女のビジネスは下着とは無関係。原因はプレゼンの前週に、新しい下着を買おうとインターネットの通販サイトを物色したこと。プレゼンで表示されたのは、その行動に基づいた広告だった。しかしよりによって、取引先の男性が多数いる会議室でブラジャーを表示するとは、ネット広告もなんとKYなことか。

閲覧履歴を基に表示する「リタゲ広告」

彼女に表示されたのは、「リターゲティング(リタゲ)広告」と呼ばれるネット広告の一種だ。インターネットブラウザに保存されている「クッキー(Cookie)」と呼ばれるデータを使い、過去の閲覧履歴を基に広告を表示する。消費者の関心にある程度沿った広告を見せられるため、購入に至る確率が高いという。

週刊東洋経済12月18日発売号(12月23日号)の特集は「ネット広告の闇」です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

消費者にとってリタゲ広告は、功罪相半ばする存在だ。関心のある商品が自動で表示され、クリックすると詳しい情報や購入サイトに導かれるのは便利。だが、閲覧する先々のサイトで特定の広告が出てくると、まるで広告にストーカーされているようで不快に感じる人がいる。冒頭の下着のように、軽々には表示してほしくない商品もある。

写真は記者が日ごろ使っているブラウザ上で、ある全国紙のニュースサイトを開いたところ。トップにはアマゾンの広告として、書籍が3冊表示されている。どれも記者が最近検索した本そのものか、その内容に似た本だ。

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