消す?消さない?ネットの「ストーカー広告」 デリケートな検索結果もダダ漏れ

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3つ目の方法は、アドブロックと呼ばれるツールやアプリを使うことだ。最も有名なのは、ドイツのIT企業アイオの「アドブロックプラス」。ブラウザの種類ごとにツールが無償提供されている。アイオはスマートフォン向けにアドブロックできるブラウザも提供している。どちらも、特定の企業の広告をブロックせずに表示させるといった細かい設定が可能だ。アドブロックは世界で6億台以上のパソコン、スマホに導入されている。

アップルがリタゲ広告対策

またアップル製品のユーザーは、これらの対策を講じなくてもリタゲ広告にわずらわされなくなっている。アップルのブラウザ・サファリに今秋、広告企業がクッキーを自由に利用できないようなアップデートが行われた。iPhoneユーザーでもクロームなど他社のブラウザを使っている場合はリタゲ広告が表示されるから、広告を見たくないという人はサファリに切り替えるのが効果的だ。

アップルがクッキーの利用を制限するのは、米国におけるリタゲ広告への厳しい風当たりを反映したものだ。2009年に米ペンシルベニア大学とカリフォルニア大学バークレー校が行った調査では、消費者の66%が自分の関心に応じた広告配信を望まず、84%がリタゲ広告のような行動履歴に基づく広告を拒絶するという結果が出ている。

実際に、広告のためにクッキーデータを収集した企業に対するクラスアクション(集団訴訟)も何度も起こっている。欧州でも、企業がクッキーデータを利用するには事前に、消費者の同意を得なければならなくなっている。アイオのベン・ウィリアム氏(広報担当)は「アドブロックの世界的な普及を、史上最大規模の消費者によるボイコット運動だと指摘する声もある」と話している。

関心ある商品が自動表示されるなど、広告は消費者にとって便利なものでもある。またメディアにとっては、収益源のひとつにもなっている。記事で紹介したような対策を使ってリタゲ広告を消すかどうか。さて、あなたはどうするか。

週刊東洋経済12月23日号(12月18日発売)の特集は「ネット広告の闇」です。
杉本 りうこ フリージャーナリスト

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すぎもと りうこ / Ryuko Sugimoto

兵庫県神戸市出身。北海道新聞社記者を経て中国に留学。その後、東洋経済新報社、ダイヤモンド社、NewsPicksを経て2023年12月に独立。

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