唾液がもたらす「口の中」への小さからぬ影響 質良くたっぷり分泌するのが肝要だ

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少し余談となりますがセルフケアの基本は次の3つです。

<1>1日3回、食後に歯をしっかりと磨きます。歯ブラシを歯茎に押さえつけるように磨くと、歯茎を傷つけてしまいます。力を入れすぎないように注意して丁寧に磨くのがいいでしょう。電動歯ブラシと普通の歯ブラシを両方使用すると、さまざまな方向から磨くことができますので磨き残しが減ります。

<2>1日に1回は、歯と歯の間を掃除します。デンタルフロスや歯間ブラシを使って、丁寧に掃除しましょう。特に奥歯や親知らずが横を向いて生えている場合には、食べ物のカスが詰まりやすいです。時間をかけて丁寧に取り除いてください。

<3>就寝中は唾液があまり分泌されませんので、磨き残しなどがあると夜中に口内で虫歯や歯周病の原因菌が繁殖してしまいます。夜に歯を磨いた後は、食べ物や糖分・酸などが入った飲み物は摂取しないようにしてください。寝る前にナイト専用(虫歯予防効果のあるもの)のデンタルリンスを使って口をゆすぐことも、虫歯予防効果を期待できます。

唾液は全部同じじゃない!

心身ともにストレスを受けていない状態のときに出やすくなる漿液性唾液は、唾液の中でも上質なものといえます。糖タンパクが含まれていませんので、サラサラと歯全体を包み、虫歯予防にも高い効果を発揮するのです。

十分な量の唾液が出ていないと口内が乾いてしまいますので、食べ物が詰まりやすくなったり、発声や消化がしにくくなったり、虫歯になりやすくなったりします。このような状態をドライマウスと言いますが、ドライマウスになってしまうと、口臭が強くなったり、細菌がのどにくっつきやすくなったりしますので、メンタル面でも身体面でも良好な状態とはいえなくなります。

唾液が出にくい人は、ガムをかむことで唾液腺を刺激することもできます。もちろん、ガムの糖分が虫歯の原因になってしまっては意味がありませんので、砂糖が入っていないもの、できれば再石灰化効果があるキシリトール成分が入っているものを選ぶといいでしょう。

サラサラとした唾液は、多くが耳下腺で作られます。耳下腺とは奥歯のかみ合っている部分あたりのことで、親指を除いた4本の指の腹をかみ合わせから頬(頬骨の下)に当て、ゆっくりと円を描くようにマッサージして耳下腺を刺激するといいでしょう。

唾液にはさまざまな良い効果があります。質の良い唾液をしっかりと分泌することで、健康な口内環境を作れます。歯や歯茎の健康に注意することも大切ですが、唾液にも注意していきたいですよね。質の良い唾液を分泌する活動は、ストレスに気を付けたり、ガムをかんだりと、いずれも簡単に始めることができます。

小林 保行 歯科医師/キーデンタルクリニック院長

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こばやし やすゆき / Yasuyuki Kobayashi

2004年東京歯科大学歯学部卒業、表参道の総合歯科医院に勤務。2006年市谷の歯科医院にて副院長として勤務。2008年に赤坂見附駅から徒歩1分の場所にキーデンタルクリニックを開院しました。開院以来、「確かな技術で納得の治療を」モットーに、あごや歯の場所を細かく分析をし、歯だけでなく口回りを総合的に診断。現在はムシバラボというサイトを立ち上げ、歯や口周りの情報を発信。主な資格はDHA岩田セミナー認定医、総合治療セミナー「一の会」認定医、クリアアライナー矯正認定医、日本顎咬合学会所属、日本インプラント学会所属、消防庁認定、救命技能講師修了。

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