唾液がもたらす「口の中」への小さからぬ影響 質良くたっぷり分泌するのが肝要だ
唾液の特筆すべき効果は主に5つです。
唾液がすごい!5つの効果
(1)食べ物をのどに詰まらせない
のどごしのよくない食べ物でも、唾液と一緒になることで、のどに詰まらせずに食べることができます。高齢者が食べ物をのどに詰まらせやすいのは、唾液分泌が加齢によって衰えるからです。乾燥した食べ物を食べるときやのどごしがよくない食べ物を食べるときは、水分をたっぷりと取ったほうがいいのです。
(2)発声を助ける
のどが乾燥していると声を出すことができません。聞き取りやすい声を出すためにも、唾液が不可欠なのです。お口の中を潤し、唇や舌、頬などの動きを滑らかにすることで、歯がこすれて粘膜を傷つけるのを防ぐ役割もあります。
(3)消化を助ける
唾液にはアミラーゼと呼ばれる酵素が含まれており、このアミラーゼによってでんぷん等を消化することができます。食べたものがしっかりと胃の中で消化されるためにも、唾液が役立っているのです。
(4)虫歯や歯周病を予防する
口内が酸性に傾くと、虫歯や歯周病の原因菌となる細菌が増殖しやすくなります。唾液が十分に分泌されると歯や歯の周りについた酸性成分や食べ物のカスを洗い流すことができ、口内が中性に近づき、原因菌の繁殖を抑えられます。
唾液自体が歯をコーティングしますので、原因菌や食べ物のカスなどが歯につきにくくなります。唾液でしっかりと歯が湿ることで、乾燥した歯よりも余計なものが付きにくい歯になります。
食事中や食後は、唾液の分泌が活発になります。唾液の持つ効果をフルに活用するためにも、食後30分は歯を磨かない、という一説もあります。30分あけることで歯磨きすることを忘れてしまう方は、食後すぐに磨いたほうがいいでしょう。
(5)初期の虫歯を修復する
虫歯によって溶け始めた歯は、初期なら唾液による再石灰化で修復できます。もちろん、ある程度以上に虫歯が進行してしまうと、唾液の再石灰化では修復することができません。虫歯が進行してしまう前に気づくことができるためにも、こまめに歯科医院で虫歯のチェックをしましょうね。
虫歯の治療は虫歯部分を削って、それ以上虫歯が進行しないようにすることが一般的です。できるなら歯を削りたくないという人は、虫歯にならないようにセルフケアをしっかりとすることや歯科医院で定期的に歯のクリーニングを心がけましょう。セルフケアと医院でのケアをしっかりと行っているなら、虫歯になったとしても進行する前の初期状態で気づくことができます。
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