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フランスとドイツから学ぶ真に安定した政治 大前研一が論じるポピュリズムの揺り戻し

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  • 大前 研一 ビジネス・ブレークスルー大学学長
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マクロン大統領はEU支持派で、移民や難民の受け入れにも肯定的。当然、メルケル首相とは馬が合う。メルケル首相もマクロン大統領を非常に重視していて、何度も会談を重ねている。メルケルとマクロンを重ね合わせた「メルクロン」なる造語が登場するほど独仏関係はうまくいっていて、結束してEUを牽引している。おかげでヨーロッパは非常に安定した。

「社会の分断」に対する反動がくる

イタリアでもEU離脱を掲げる極右勢力「五つ星運動」が台頭してそのメンバーがローマ市長になったり、イタリア3位のモンテパスキ銀行が経営危機に陥ったりなど、政治経済ともに流動化していた。しかし、ここにきて職権乱用や側近の汚職問題が浮上したり実務能力のなさを露呈したりなどしてローマ市長の人気は急落、モンテパスキ銀行はEUの承認を得て公的資金が注入されることになり、第2のギリシャ化するリスクは遠ざかった。

今年3月に行われたオランダの総選挙でも反EUや移民排斥を訴える極右政党の得票が伸びずに、中道右派の与党「自由民主党」が第1党を維持した。

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今後、ブレグジットの動向にもよるが、ドイツの総選挙でメルケル首相が辛勝したためにEUの結束はさらに固まってアメリカと対抗していく方向に進むだろう。

アメリカと対抗したときのヨーロッパはロシアと接近しやすい。アメリカの軍事力という後ろ盾がないままロシアと対峙するのはきついからだ。バルト三国やポーランドなどロシアを毛嫌いしている国もあるが、ヨーロッパ全体としてはロシアに対する経済制裁を解いて、新しい関係を模索することになるだろう。

マクロン大統領は就任演説で「われわれの社会における分裂や分断を克服する必要がある」と語った。フランスをはじめ欧州各国でEUに対する向き合い方、移民政策や経済政策などをめぐって国民の分裂、社会の分断が浮き彫りになった。これを克服し、繕っていくためには、ヨーロッパが結束して立ち向かう必要がある。

社会の分断というものはトランプ政権を生み出したアメリカにおいても、安倍一強体制が続いてきた日本においても進行してきた。その反動は必ずやってくると思うし、28カ国が政治・経済的に共同体をとにもかくにも運営してきたヨーロッパに学ぶ知恵もあるに違いない。

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