ドコモが送り出す、“若き侍たち"の野望 ベンチャー支援プログラムに挑む3チームを直撃

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プログラムの中でゼロからサービス開発を進めてきたチームがcoromo。スマホのホーム画面でさまざまなサービスを提供する新しいビジネス開拓を目指している。2~3年後のマーケットが数千億円規模に成長すると見込み、着々と開発を進める。東京大学大学院発のベンチャーだ。
株式会社coromo  井上碩(せき)CEO(右)   井上北斗CFO

――会社を立ち上げた背景を教えてください。

井上CFO もともと、東京大学大学院の学生を中心に立ち上げたラボから独立した会社です。ラボではさまざまな案を出し合って、その中でスマホのホーム画面のビジネスをやろうと決めました。ホーム画面に注目したのは、潜在的なマーケット規模が大きく、さらに自分達が切り開くことができる分野を狙いたかったからです。今後2~3年で、企業向けと個人向けを合わせると数千億円規模のマーケットがあると考えています。

井上 CEO ホーム画面はユーザーがスマホを使う上で、最初、そして最後に必ず目がいく画面です。ページビューもスマホの中では最も大きい。ということは、あらゆる液晶画面の中で最大のPV数になっていくと考えています。こうした特性やメディア価値があるにもかかわらず、あまり注目されていない分野だと言えます。

ベンチャーは単独だと、甘えがちになる

――ドコモのプログラムに参加した理由は?

井上CEO 未開拓のマーケットなので、地道に契約を重ねていくことが重要です。その点で、ドコモの協力があるのは非常に大きいと思っています。また、ベンチャーは単独で事業を進めていると、孤独で、甘えがちになってしまう。何かの締め切りも自分達で決めるので守らなくてもいい。プログラムでは毎週のミーティングがあり、客観的な意見を聞くことができる。さらにスケジュールを意識して改善してくことで、開発のスピードも上がっています。ベンチャー投資の専門家の方にお会いできるのも大きいですね。

われわれはゼロからサービスを立ち上げ、企画も何度も修正してきました。9月26 日のDEMO DAYでサービスを開始する予定です。ほかのチームはすでにサービスをリリースしているチームも多いので、事業サイクルの回し方などが非常に参考になっています。

――サービスの例としてどのようなものがありますか?

井上CEO たとえば、野外フェスなどのイベントで専用のホーム画面をセットすれば、出演するアーティストのホームページに直接リンクしたり、会場の地図などの情報を画面で確認したりできます。イベントが終われば、好きなデザインの画面に戻すことも可能です。普段使うことができる、デザイン性の高いホーム画面も多数提供しています。

――今後、ビジネスをどのように広げていきますか?

井上CFO サッカー観戦などのスポーツ分野に広げたいですね。また、来日した外国人がこのサービスを使って、各地のホテルやレストランの情報をホーム画面に入れ込めば便利だと思います。アウトレット施設などでも使えます。アウトレット施設は広いので、どこに店があり、どの店が安いのかがわかりにくい。そこでホーム画面をセットしてスマホと通信させることで、各店の情報が送られてくるといったサービスも考えられます。そのほか、海外でも現地の観光ガイドを一瞬でセットするとか。海外展開も当然、視野に入れています。

コンシューマ向けは自力で展開できると考えていますが、イベントや企業向けにサービスを展開する場合、戦略的パートナーが必要です。今後もさまざまな方面でパートナーを見つけていきます。早い段階でしっかり資金調達をしておくことも重要だと思っています。

井上CEO こうした事業戦略を練るのは正直苦手です。全部CFOに任せているので、私は安心して開発に打ち込むことができています。

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