舅や姑の介護で頑張った人はお金がもらえる 義父母の最期を看取った嫁の苦労はどうなる

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たとえば、介護や看護については、日頃から兄弟同士、家族間で情報を共有し、想いを伝えておくのもいいでしょう。

実は、私は従妹同士などでLINEのグループを作っており、日頃から冠婚葬祭などの情報をやり取りしていますが、とても便利です。家族や兄弟間でLINEグループを作り、小さなことでも報告するのはどうですか?

相手の性格にもよるとは思いますが、大変さが伝わり、共感してもらいやすくなるかもしれません。

遺言書があれば、尽くした人が報われる?

一方、被相続人に「この人には多く相続させたい」という意思がある場合は、遺言書でそれを示し、相続分を多くするという方法もあります。故人の意思を尊重するという意味で、遺言書がある場合は、そこに記載されたとおりに相続するのが原則です。あくまで原則であり、相続人全員が同意しなければそのとおりにはなりませんが、少なくとも、「故人も介護した人に多く相続したいと思っていた」などと示すことはできます。

また、実は、相続人でなくても、「遺贈」という形で遺産を引き継ぐ方法があります。「嫁に財産の一部を分けたい」「離れて住む子どもに代わって何かと世話してくれた姪に財産を分けたい」と思っているなら、遺言書にその旨を記載しておくのです。血のつながりがない人でも可能です。

相続人が相続するより相続税の負担が重くなりますが、これも、故人に尽くした人が報われる方法の1つです。ちなみに、遺言書によって相続財産のほとんどが特定の人に渡ってしまい相続人が著しい不利益を被る、ということがないよう、相続には「遺留分」があります。

たとえば、相続人が子どもだけなら、子ども全員で相続財産の2分の1が遺留分で、もしも「すべての財産を姪に」という遺言があっても、姪は半分、残り半分を子が分けることになります。

相続でのおカネの話をしてきましたが、故人や関係者からの「ありがとう」の言葉。それも絶対大切ですよね。故人を最期まで一生懸命に、あたたかく看取った人への「お礼」が、納得のいく形で決まればいいですね。

井戸 美枝 ファイナンシャルプランナー

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いど みえ / Mie Ido

神戸市生まれ。 関西と東京に事務所を持ち、年50回以上搭乗するフリークエントフライヤー。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。『世界一やさしい年金の本』(東洋経済新報社)、『知らないと損をする国からもらえるお金の本』(角川SSC新書)、『現役女子のおカネ計画』(時事通信社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP)『親の終活、夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)など著書多数(ホームページ​経済エッセイスト井戸美枝FBページ)。

 

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