2. ERP(イーアールピー)
ERPは、「Enterprise Resources Planning」の略で、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を企業全体の視点から管理し、有効活用しようという考え方だ。そうした目的から会計や給与などのシステムを統合した基幹系情報システムを、ERPと呼ぶことも多い。一字違いでFRPという言葉があるが、それは、繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)の略称だ。
3. KPI(ケーピーアイ)
「Key Performance Indicator」の略で、日本語でいうと、「重要業績評価指標」だ。かみ砕いて言えば、事業の目標を達成するために必要なプロセスのうち、とくに重要なプロセスをおこなっているかをチェックする指標のことをいう。
たとえば、営業部が「月商10億円」を目標に掲げた場合、達成するために最も重要な行動が「顧客に何度も訪問すること」ならば、訪問回数をKPIとする。このプロセスができていれば、自然と目標は達成されるというわけだ。
もっとも、最近使われだした言葉のため、売り上げなどの最終目標数値を「KPI」と勘違いしている人はベテランの中にも少なくない。勘違いしたまま、社外との打ち合わせに臨むと、話が噛み合わず、「新しい言葉をわけもわからず使っているな」と思われること確実だ。最終目標は「KGI (Key Goal Indicator=重要目標達成指標)」なので、混同しないようにしよう。
業界や職種によって意味が変わる略語もある
4. 3M(スリーエム)
ビジネスの場でよく出てくる言葉のなかでも、かなりややこしいのが、「3M(スリーエム)」だ。業界や職種によって、その意味がまったく変わってくる。
「ヒト(Man)・モノ(Material)・カネ(Money)」の頭文字をとって、経営資源のことを指していることもあれば、「ヒト(Man)・機械や設備(Machine)、材料(Material)」と生産の基本要素を指していることもある。
また、生産現場では、「ムダ・ムラ・ムリ」の3つの頭文字をとって3Mとするケースも多い。余分に生産する、余計な手間がかかっているなどの「ムダ」、余裕のないスケジュールのような「ムリ」、時々、ムダやムリが発生する「ムラ」。これらをなくしていくことで、効率よく生産できるようになるという考え方だ。ちなみにムダ・ムラ・ムリに関しては、後ろの文字をとって「ダラリの法則」と呼ばれることもある。
このように、意味がまるで違うので、会話で「3M」が出てきた時、わかったようなフリをする必要はない。むしろ、「それは、ムリ・ムラ・ムダという意味ですよね?」などと確認することが大切だ。
5. KY(ケーワイ)
「現地でKYをおこなってから、作業にとりかかってください」。建設現場などでは、現場責任者からこんなことを言われることがある。学生時代、KYといえば、「空気が読めない」という意味で使っていたはず。それと照らし合わせたら、「作業前に、空気を読まないってどういうこと?」と思うだろう。
もちろん、このKYは空気のことを意味するのではない。「危険予知(活動)」のことだ。具体的には、現場で作業をする前に、災害が起こる可能性を想定し、それを防ぐ対策を打つことを指す。KYを考えないKYな行動をして、KYい(怖い)上司に怒られないよう気をつけたい。
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