ある企業の採用担当者からこんな話を聞いたことがあります。「入社後の研修で育成できない能力が3つある。それは、(1)リーダーシップ、(2)メンバーシップ、(3)ストレス耐性だ。体育会に所属した学生はこの3つを学生時代に身に付けている可能性が高い」というのです。
確かに、企業の中で成果を出すには、チームを引っ張って、お互いに助け合うことは不可欠です。また、困難に直面しても、くじけず乗り越える力が必要でしょう。
しかし、考えてみてください。この力は体育会に所属しなければ得られないのでしょうか? そんなことはありません。ゼミや研究室、サークル、アルバイトでも、身に付く能力といえるのではないでしょうか。大切なのは、そういった能力が社会人には求められていることを理解し、その力を伸ばせるように学生生活を過ごすことです。
さらに言えば、そういった能力があることを、選考の場で具体的な事例をもとに説明できるようになっておくことです。
コピペのESは見破られる
ESや面接で、必ず聞かれる3大テーマがあります。(1)自己PR、(2)学生時代に力を入れて取り組んだこと(略して、ガクチカ)、そして(3)志望動機です。
このうち、志望動機については、志望する業界や企業によって自ずと変わってくるので、同じ内容になることはないでしょう。しかし、自己PRやガクチカは、あまり変えようはありません。ということで、ESの使い回しは、一部はNGで、一部はOK、というのが答えです。
もっともすべての企業が同じような人材を求めているわけではありません。情熱ややる気を重視する企業もあれば、協調性や地道に努力し続けられる力を必要としている企業もあります。志望企業が求める人材像や能力を確認し、その力を自己PRやガクチカに盛り込むことができればいいでしょう。
ただし、インターネットや参考書などを利用して、他人のESをコピペすることはしないでください。まだまだ一部ではありますが、ESの診断にAI(人工知能)の技術を活用する企業が出てきています。AIでESの内容を診断すると、まったく同じ内容、つまりコピペは瞬時に判別できるそうです。たとえ、文章の構成は同じようになったとしても、内容は一人ひとりの個性が反映されるべきです。「自分の言葉で語ること」は最も重要なことです。
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