先輩や友達のESを見ると、「3カ月間、バックパッカーとして、海外を回りました」とか、「1年間、毎週末、ボランティア活動に参加しました」、「サークルの大会で全国1位になりました」などという、華々しい体験談が書かれていることがあります。そんなとき、ついつい自分の学生生活に引け目を感じてしまい、「ESで自慢できること、自信を持って語れることが何もない……」。そう思い込んでしまう人が少なくありません。
もちろん華々しい経験や成果を否定するわけではありません。だが実は企業は特別な体験を求めているわけではないのです。自分では地味だと感じてしまうサークル活動やアルバイトでも、または研究活動やゼミ活動だとしても、「なぜその体験をしたのか」、「どのように取り組んだのか」に個性や強みが隠れています。企業はそれを通じて、その学生がどんな人間なのかを知りたいのです。大切なのは、「何をやったか」ではなく、「なぜ?」「どのように?」取り組んだかです。その視点を意識して、自分の学生生活を棚卸しすることが重要です。
自慢話よりも、“どんな人間か”を知りたい
景気の見通しも明るく、企業の採用意欲は相変わらず高止まりの状況です。就活生にとってはまさに売り手市場で、学生優位な状態が続いています。複数の企業から内定をもらう学生が増え、私が会った就活生も、3~4社の内定を持つ学生は珍しくありません。中には「6社の内定を獲得した!」といった強者もいました。かつて、就職氷河期を経験した世代にとっては、うらやましい限りの好環境です。
だが企業側の苦労を想像してみてください。将来の事業計画をもとに採用計画を立て、多くの人員や時間を割いて選考します。内定を出したのに入社してもらえないとなると、それこそ、採用活動の仕切り直し、場合によっては、人員計画や経営にも影響が出ます。また「この大学の学生は内定辞退の連絡をいれない」という評判が広まれば、次年度以降に就活をする後輩たちに迷惑をかける可能性もあります。
就活は内定の数を競うゲームではありません。より志望度の高い企業から内定が出た時点で、先に内定をもらった企業へすぐに辞退の連絡を入れるべきです。「連絡しにくい」「電話したくない」という気持ちも理解できますが、時間をかけて面接し、自分を評価してくれた企業に対して、誠実に対応することは最低限のマナーです。
以上、就活初期にありがちな誤解を紹介しましたが、初めての就活だからこそ、これ以外にも不安を感じたり迷ったりすることはきっとあるでしょう。そんなときは、大学のキャリアセンターに確認するなどして、正しい知識をもとに就活を進めることが重要なのです。
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